アーティスト 大川 博

朝霧に包まれた神々しい鎮守の森。苔(こけ)むす石の小径(こみち)、すがすがしい空気、杜(もり)の木々に若葉が芽吹く。やがて、霧が晴れていき、茅葺(かやぶき)の屋根に、やわらかな光が差す。緑萌(も)える季節に、社殿の大掛かりな保存修復工事を終え、みずみずしさを感じさせる糸島市志摩の櫻井大神宮に足を運んだ。
永遠に若くあり続ける「常若(とこわか)」の世界を顕現する地。櫻井大神宮が創建されて、今年はちょうど400年。繰り返し再生し、永遠に続いていく祈りの場。社殿の静けさは、参拝する人の心を澄ます。杜のささやきとともに、神々の気配がそっと息づく。
(アーティスト・大川博)
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大阪で育ち、京都で学び、東京で働く。縁あって、糸島の風景を描く。アート(視覚)、オーディオ(聴覚)、アロマ(嗅覚)を融合化し、没入感をより深める作品を、毎年個展で発表。
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