3月14日付の糸島新聞に掲載された、JR一貴山駅の桜並木「花うずみ駅」。その絵に心を打たれ、久しぶりに外出を決意しました。生まれ故郷が一貴山の松国である私にとって思い出の風景です。
年を重ね、押し車や杖が手放せなくなり、つい家にこもりがちだった私ですが、思い切って一貴山駅へと向かいました。寒さの残る2日、駅を彩る桜は満開で、まさに見頃。見事な咲きっぷりに、ハイパチリ-と思うけれど、杖頼りの身にはその1枚がままならぬ。足元のおぼつかない私にとって、自分で写真を撮るのは難しく、ただ見上げるばかりでした。

そんなとき、ひとりの若い方がしゃがみ込んでカメラを構えているのが目に入り、「プロのカメラマンかしら」と思い切って声をかけてみました。すると、その方は私の様子に気づいてくださり、なんと10枚ほど写真を撮ってくださったのです。

「もしやプロの方ですか?」とお聞きすると、「今はアマチュアですが、プロを目指しています」とのこと。まだ底冷えのする季節、わずかな間の交流でしたが、その写真と心遣いが、私の一日をやさしく彩ってくれました。
お名前を尋ねるとマオリンさんとのこと。本当にありがとうございました。あなたのおかげで、忘れられない春の思い出がまたひとつ増えました。
(加布里・庄島喜代子)
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