【糸島市】“九大生が聞く!!ビジネス最前線 in糸島” 生産者と消費者をつなぐ

伊都菜彩㊦ 店長 波多江和也さん(54)

 このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取材し、その魅力を紹介します。共創学部3年の加藤千穂が前回に引き続き、JA糸島産直市場「伊都菜彩」店長、波多江和也さん(54)から「糸島産であること」にかける思いや伊都菜彩の今後について、お話をうかがいました。

伊都菜彩の前に立つ波多江店長

 -伊都菜彩が大事にしている「まるいとマーク」に象徴される「糸島産であること」には、どのような魅力があるのでしょうか。

 「伊都菜彩は糸島産の商品を販売するためにつくられました。顔の見える関係性の人が作った地元産のもの。それが安心安全の食材であるという点は大きいと思います。店頭でも緑と赤の帽子を被った出荷者が商品を並べている際に直接お客さんと話をすることがよくあります」

 -全国、海外からも視察にこられるようですが、どのようなところに関心を持たれているのでしょうか。

 「『糸島野菜といえばこれ』というような代表的な作物が特に糸島にはありません。特別な仕組みなどがあるわけではなく、農家の方々が多品種を作り続けた結果、消費者の心をつかみ、今の伊都菜彩があるのだと思います。大規模農家ではない少量多品目栽培を行っている高齢の農家組合員や女性の生産者が活躍できるよう販売する場を確保し、それが伊都菜彩の魅力につながっていきました」

 -地域に密着するJAが運営する直売所ですが、どのような地域貢献の取り組みをされていますか。

 「売れ残りや店頭に出せないような規格外のものを月2回ほど、行政や女性部と協力し子ども食堂や生活困窮世帯に提供するフードバンクなどを行っています。ボックスを設置し農家さんも自由に入れられるようにしています」

 -糸島ブランドやドラマのロケ地として注目を浴びる糸島ですが、新たな客層獲得のために行っていることはありますか。

 「県外から来られた方がお土産にお買い求めやすいように糸島産のものを使った6次化商品の開発を行っています。糸島はNHKの朝ドラ『おむすび』の舞台になりましたが、糸島で生産される米と糸島牛、糸島産メンマを使って発売している『伊都むすび』はふくおか6次化商品セレクションで福岡県知事賞を獲得しました。これからも6次化商品を生み出し、糸島の食材をアピールしていきたいですね。

さまざまな作物が並ぶ店内

 取材を終えて

 糸島という地で伊都菜彩という直売所が大きくなったのはその背景に博多から近く、近郊型農業として多品種を作り続けてきた糸島の農業の特性があるのでしょう。巨大直売所を運営するためには、糸島の人々のひたむきな努力があることを知りました。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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