スチームシップ㊤ 社長 藤山雷太さん(41)
このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取り上げ、その魅力を紹介します。今回は、共創学部3年の加藤千穂がふるさと納税業務を自治体から受託し、寄附者の満足度がとても高い業務を実現している企業「スチームシップ」の社長、藤山雷太さん(41)に、地域をブランディングしていく思いなどについてお聞きしました。

-長崎県波佐見町に本社を置き、糸島市に支店を構えられていますが、取り組まれている事業について教えてください。
「自治体がふるさと納税の寄附金を集めるにあたって、返礼品を一緒に探すところから取り組み、ウェブマーケティングや問い合わせの対応などをしています。現在は、全国に25拠点(開設予定含む)を設けて60自治体を支援。それぞれの地域のブランディングを行っています」
-楽天ふるさと納税のショップレビューでは、波佐見町が4.89、糸島市が4.76(5点満点・取材時時点での数字)など、担当している自治体が高得点を獲得されていますね。高評価を受けるため、どのような取り組みをされているのでしょうか?
「私たちは、世界観を大切にして制作した自社ホームページなど『感動体験』を重視しています。単に寄附額を増やすために代行するのではなく、地域のブランド価値を上げることを念頭に、地域のプロフェッショナルとして活動しています。問い合わせ対応などのカスタマーサポートでも、丁寧な気持ちのいい接客を行うことで感動体験を提供。これらはすべて『地域のファンをつくるため』に必要だと考えています」
-コンセプトとして「地域の宝探しカンパニー」を掲げていますが、どういった思いが込められているのですか?
「これまでの30年は東京がブランディング化され、地域の価値が見えにくくなっています。その結果、関東に多くの若者が流出し、地域の人口は減少傾向にあります。経済を回しているのは『人』です。地域に人がいなくなると、経済は衰退していきます。地域にある魅力や宝は、水をやらないと、花が枯れてしまうのと同じで、それを守っていく人が必要です。その担い手になる若い人材を育て、新たな魅力や宝を発掘する。それが重要だと考えています。若者が地域に帰りたいと思えるような、ワクワクする仕事場をつくりたい。それがスチームシップの思いです」

次回は、どのようにして若者が生き生きと働ける場所づくりをしているのかについて、おうかがいしていきます。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)