自然に囲まれくつろぐ場に —観葉植物+花+カフェ—
全面ガラス張りの窓から店内をのぞくと、コロンと丸いコケ玉から伸びる観葉植物、色とりどりの切り花、そしてドリンクを注文できるカウンターが目に入る。むきだしのコンクリート壁と高い天井には、流木をモチーフにした装飾や緑が随所に散りばめられている。
糸島市のJR筑前前原駅前の通りに11日、観葉植物と花、そしてカフェがひとつになった「植物屋」がオープンした。手がけたのは、代表の永渕優さん(26)と、中学時代からの友人・三苫裕太郎さん(26)、大学時代の友人・徳永歩武さん(26)の3人。農業に興味を持ったことをきっかけに、それぞれのアプローチで行き着いたのが「植物屋」。

福岡市西区西浦で植物を育て、独学で観葉植物や花について学びながら、2022年に開業。これまで九州各地や山口、広島などのイベントスペースに出店し、着実にファンを増やしてきた。待望の実店舗の開店には、県内外から多くのファンが訪れている。
親戚が住む前原のまちは、永渕さんにとって子どもの頃から親しんできた思い入れのある場所。駄菓子を買いに通った商店街など、懐かしい風景が残るこの場所で物件を探していた時に出合ったのが、駅近の赤レンガ造りの瀟洒(しょうしゃ)な建物。長らくシャッターが下りていた場所だったため、地域の人たちが「何ができたの?」と興味を持ってのぞいてくれるという。「地域のにぎわいに少しでも貢献できればうれしい」と永渕さんは笑顔を見せる。
店舗は、設計から床の基礎、下地づくり、配線に至るまで、ほぼ全て3人で手がけた。約2カ月をかけて、植物装飾の魅力を十分に伝える、シックで洗練された空間へと生まれ変わらせた。

飾りやすさと育てやすさを追求してたどり着いた、コケ玉から伸びる観葉植物は部屋のインテリアに。切り花のコーナーでは、自分の気に入った花とリボンを選べば、永渕さんがその場でブーケに仕立ててくれる。「思いついた時に、気軽にお花を贈る文化を身近にしたい」。植物を購入するとドリンクが1杯無料になるという特典も。


「街中だけど、自然に囲まれた場所でゆっくり過ごしてほしい。植物を眺めたり、好きな花を選んだり、過ごし方は人それぞれです」。植物を愛する若き3人は柔らかく微笑む。
植物屋
住所 糸島市前原中央1丁目2-5
営業時間 午前11時から午後10時
詳細 インスタグラムを参照 植物屋
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)