けやきの杜で親子コンサート
多様な特性をもつ子どもたちとその家族のための親子向けコンサートが11日、糸島市志摩井田原の「けやきの杜」で開かれた。乳児から10代の子どもと保護者あわせて67人が、新緑に包まれた空間で音楽と絵本の世界を楽しんだ。

主催は「いとしまこども食堂 ほっこり」。参加者との会話を通じて、発達に特性のある子どもが映画や音楽イベントに足を運びづらい現状を知った笹渕隆広代表が「誰もが気兼ねなく楽しめる場を」と企画。NPO法人えほん楽団が協力を申し出たことで開催が実現した。
コンサートでは、スクリーンに映した絵本の朗読や楽器の生演奏が繰り広げられ、子どもたちは歓声を上げたり体を揺らしたりと大はしゃぎ。なかには音楽にのせて両手を広げ、のびのびと踊る子の姿も。「静かに」や「だめ」はなしで、自由に過ごせるようにと用意された休憩室では、折り紙や工作に夢中になる子の姿もあった。
7歳の男の子と一緒に参加した母親は、「聴くだけでなく、体を動かす遊びもあって、じっとしているのが苦手な子でも楽な気持ちで楽しめた。子どもはもちろん、親もホッとできるコンサートでした」と、うれしそうに語った。
「地域の中で、特性のある子どもたちを理解し、温かく見守り、育てていけたら」と笹渕代表。今回のコンサートの収益は、全国のがん患者を応援する活動を行っている「NPO法人糸島ハートの会」の活動資金として寄付されるほか、こども食堂の食材購入にも活用される。
(地域特派員 榮鮎子)
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)