【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.122(5/30号掲載)

ドクター古藤アイキャッチ

元気な野菜づくりの本出版

 「ドクター古藤の家庭菜園診療所」(農山漁村文化協会)をJA在職時代の2017年に出版させていただきまました。当時はたくさんの方々にご愛読いただき、「あの黄色いバケツを畑に置いておくと、害虫がたくさん捕獲できました」「生ごみを発酵させた自家堆肥作りは楽しいです」など、全国より喜びのお便りも多く寄せられました。また、家庭菜園の方や直売所出荷者の方々の元気な野菜、果樹作りの参考書としてご利用いただいたようです。

写真やイラストを豊富に使用

 今回、2022年11月から糸島新聞で連載中の「ドクター古藤の園芸塾」の記事をベースに、新たな本を出版することができました。連載開始から今年4月までの118回に及ぶ記事に、画像やイラストを追加し、構成いたしました。

 本名は「ズバリ解決 ドクター古藤の野菜づくり相談室~免疫力アップで病害虫を退けるQ&A150~」(農山漁村文化協会)です。

本の表紙
本で使用されているイラスト
本で使用されているイラスト

 野菜栽培の難しさの一つは病害虫防除。病害虫が発生したら、早めの薬剤処理によるピンポイント対策が重要ですが、ここで、何か手立てはないのでしょうか。それが「作物の自己免疫力の強化」。100%の解決策とは言えませんが、作物を強く育てることが肝心です。

 近年の夏季シーズンは高温乾燥が厳しく、夜は熱帯夜という状況です。しかも、厳しい気候が晩秋まで続くようになってしまい、当然ながら、野菜などの植物もたまったもんじゃありません。こうした状況下では、生命維持のため、多くのエネルギーを使い、基礎免疫力が低下していきます。そこで、作物の免疫力をもっと引き出す工夫が大切になります。

 病害虫に強くなる作物づくりについて、これまでたくさんの方からご質問をいただいています。これに対して、私なりの実践から「なぜ(原因)どうなる(問題)どうしたら(方法)改善(結果)」を踏まえ、解決策を本の中で取り上げています。

 例えば、栽培期間中の高温乾燥によるストレス(原因)で、作物の免疫力が低下。活性酸素が体内に蓄積し、生育が悪化する原因(問題)の一つとなっています。そこで、廃棄されるリンゴやバナナの皮を使って、独自の発酵エキスを作成(方法)。完成した発酵エキスを与えることで、元気回復(結果)。

 このように、私たち人間の体が疲れた時、サプリメントをとるのと同じように、作物にも安全な手作りサプリメントを与えると、免疫力が高まります。今回の本を通じ、元気な野菜づくりをし、人も生き生きと生活を送っていけることを願っております。

 この本は、たくさんのご相談を寄せていただいた皆様、連載の機会をいただいた糸島新聞社、勤務先のシンジェンタジャパン㈱社員の皆様、89歳にしてトラクターで田畑を耕す父、陰ながら実験などを手伝ってくれている妻など多くの方々の支えによって発刊にいたりました。

 この本が皆様の健全な野菜づくりのヒントになることを心より願っております。今後も皆様と手を取り合い、農園芸の発展に頑張っていきたいと思います。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

糸島新聞ホームページに地域密着情報満載

※糸島新聞紙面で、最新の連載記事を掲載しています。

古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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