伊都ジュニアオーケストラ演奏会
糸島市志摩のけやきの杜ホールで5月31日、伊都ジュニアオーケストラ(すじたふみよ団長)の第6回定期演奏会が開かれた。緑あふれる庭園にたたずむ古民家のホールには、子どもから大人まで幅広い世代が集い、1年かけて準備した大曲に挑む団員たちと、壮大な旋律に身をゆだねる聴衆が一体となって、音楽の喜びに包まれた。

前半のAプログラムは、ブラームス作曲「ハンガリー舞曲第5番」の力強くリズミカルな調べで幕を開けた。小さな子ども用バイオリンを構えた4歳の団員も、真剣な表情で弓を動かし、堂々たるオープニングを飾った。

続いて披露されたのは、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調」。40分にわたる壮大でロマンあふれる大曲。昨年のオーディションで選ばれた宮野望愛さんがピアノを演奏し、しっとりと、時には情熱的に、作品の魅力を表現した。

同オーケストラは、1歳から70代までの多様な世代で構成され、家族で参加する団員も多い。昨年の演奏会をきっかけに家族6人で入団した森東亜希子さん一家もその一つ。二女・芙美さん(9)はパーカッションを担当し「はじめは緊張したけれど、だんだんと楽しくなってきた」と笑顔で初舞台を振り返った。
また、後半のBプログラムでは、ロッシーニのウィリアムテル序曲と、ベートーベンの「交響曲第3番『英雄』」が披露された。前半に続いて、1時間にわたるプログラムを堂々と演奏した小倉愛香さん(8)は、「みんなと一緒の音が出せたときがうれしい」と仲間と音を合わせる喜びに瞳を輝かせた。
団長のすじたさんは「真剣に聴いてくださる聴衆の力を感じた。ここまで仕上げるのは本当に時間がかかったが、名曲の持つ力が、皆を最後まで支えてくれた」と目頭を押さえ、感謝の思いを語った。
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