童夢の国株式会社㊦ 代表取締役 永田 紀美江さん(58)
このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取り上げ、魅力を紹介しています。共創学部3年の加藤千穂が前回に引き続き、米粉を使ったこだわりのパンづくりをしている童夢の国株式会社代表取締役の永田紀美江さん(58)に地域活性化に向けての取り組みについてお聞きしました。

-近年では、米などさまざまな食品の価格が高騰していますが、影響は受けていますか。
「パンづくりにとって米や小麦は主材料なので大きな影響を受けているパン屋さんも多いです。しかし、当社の契約農家さんに生産していただいている米は、新規需要米として補助金を受けています。その結果、米自体の値段は小麦の3分の1ほどの価格で仕入れることができています」
-最近は、赤米のカステラも販売されているそうですね。
「赤米カステラは、糸島の特産品で、農薬不使用の赤米と、童夢の森の米粉でつくったコラボ商品です。糸島市商工会女性部と一緒に、6次化商品として開発しました。異業種が交流する商工会のつながりで生み出したスイーツです」
-移動販売もされていると聞きました。どのような場所を回られているのですか。
「曜日ごとに、ルートを変え老人ホームなどの施設や免許を返納した高齢者が多く住む地域など糸島のさまざまな場所を回っています。毎週同じ時間に訪れると、楽しみに待ってくれている方もいて、現在も販路を拡大し続けています」
-似顔絵パンなど可愛いパンもたくさん販売されていますね。
「当社は『童心に返って、夢を追い続ける』という経営理念を掲げています。日常の忙しさの中で、考え事をしている人も店で買い物をしている間はそれを忘れ、遊園地のように別世界を楽しんでいただけるようにしたいと考えています。小さい頃に訪れていたお客さんが、子供ができてから、再び来るようになってくれることもあります」
-今後、どのようなことに取り組んでいきますか。
「地元の米粉でおいしいパンがつくれるという仕組みづくりを広めていきたいと考えています。小麦粉パンとは製造工程が異なり、現在は米粉を使用することのハードルが高く、補助金などの仕組みを知っている人もあまりいません。こうした仕組みを伝えることで、全国で地産地消の米粉パンがつくられるように活動していきたいと考えています」

取材を終えて
普段何気なく食べている食品の開発の裏側に長い試行錯誤があったことを知りました。食から始まる地域活性化は大きな可能性を秘めていると思います。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)