【糸島市】次世代のまちづくりへ

池田東土地区画整理事業が始動

池田川右岸農地を住宅用地などに

 福岡市との市境に近い糸島市の池田東地区を舞台とした土地区画整理事業が、正式に始動した。同事業は、地元有志の発案により約6年半前から準備が進められてきた。6月21日、糸島市池田東土地区画整理組合の第1回総会が同市の波多江コミュニティセンターで開かれた。

総会であいさつする中原代表

 土地区画整理事業とは、事業区域内の地権者が少しずつ土地を出し合い(減歩)、不ぞろいの土地を住みやすい形に整えながら、道路や公園を整備するまちづくりのこと。出し合った土地は公共用地や保留地に充てられる。地権者の土地を元の場所から新しい場所に再配置することを換地という。

 計画では、同センターに近い瑞梅寺川(通称・池田川)右岸の農地(約16ヘクタール)など池田・高田地区約23.3ヘクタールを対象に、1,100~1,500人の居住が可能な300~400戸の住宅用地(約14.8ヘクタール)と、商業・業務用地(約6.5ヘクタール)などを整備。約9年後の2034年3月の完了を目指している。総事業費は約49.1億円となる見込みで、主に保留地処分金でまかなう予定。

土地区画整理事業が行われる池田東地区

 18年、地元有志による「まちづくり検討会」が発足。19年に準備組合が設立され、地権者への説明会などを重ねてきた。地権者97人のうち3分の2以上の同意を得て、24年に市を通じ、県に市池田東土地区画整理組合の設立認可を申請。

 同年、同事業の予定区域が市街化を抑制する市街化調整区域から、計画的に優先して市街化を図る市街化区域に編入され、市は建築物の用途などを定めた地区計画を決定した。今年5月、県知事から同組合の設立認可を受けた。

 今後は、来年6月ごろに総会の同意を得て仮換地の指定を行い、同年夏には造成工事が始まる。施行面積23.3ヘクタールは、前原東土地区画整理事業(伊都の杜、20.2ヘクタール)よりも広い。

池田東地区の位置図

 同組合は「現在の農地所有者の多くは70歳前後で、後継者がいない状況。このままでは農地を維持していくことが難しく、この土地区画整理事業によって、次の世代に向けた新しいまちづくりができれば」と説明し、総会で同組合設立認可申請者の中原正文代表は「皆さまにご協力いただきながら、事業が順調に進み、安全、安心で買い物も便利で、子どもからお年寄りまで笑顔で暮らせる素晴らしいまちをつくりたい」とあいさつした。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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