【糸島市】梅みその仕込み始まる

収穫期迎え「糸島げんき工房」

 自社農園で育てた野菜や果実を使って加工品を手がける「糸島げんき工房」(糸島市志摩新町)では、ウメの収穫期を迎え、梅みその仕込みが始まった。

糸島完熟うめみそを持つ牧野さん(左)と小金丸さん

 黄色く完熟したウメの実を一つひとつ丁寧に収穫し、砂糖を混ぜたみそ床に漬けこむ。およそ3カ月かけてウメのエキスがしみ出すと、みそはとろりとした舌ざわりに。完成品の「糸島完熟うめみそ」は、市観光協会や、同社の敷地内にあるカフェ「+un peu (プリュスアンプー)」などで委託販売する。

 完熟ウメならではの深みのある酸味とみそのまろやかな塩味が合わさった甘酸っぱい味わいは、そのまま生野菜につけたり、辛子やマヨネーズなどと混ぜたりアレンジ自在。水気を切った豆腐に混ぜて、茹で野菜やひじきを加えれば、即席の白和えも。「塩分とクエン酸のバランスが絶妙で、これからの暑さ対策にもぴったり」と工房スタッフの小金丸かすみさんも太鼓判を押す。

 この取り組みは、田舎暮らし向けの物件などを幅広く扱う不動産業「とつやネット」(有吉薫代表)が手がける新事業のひとつ。同社では、工房前の自社農園で農薬を使わず、四季折々の野菜や果実を育ててきた。これまでは、梅みそやジャムなどを本業の傍らで少量ずつ加工し、知人らにおすそ分けしていたが、7年目を迎えた農園の収量が増えたのを機に、本格的な事業展開へ。添加物等を一切使わず、ウメの他ユズジャムなど「家族に食べさせたい」季節ごとの加工品を製造販売している。

 「工房の窓から梅の色づきを見て、樹上で完熟となった実を収穫できるのが自社農園ならではの強み」と工房長の牧野登志江さん。新商品の梅ジャムの開発にも力を入れており「採れたての素材を一番おいしいタイミングで加工し、長く楽しめるように日々試行錯誤しています」と話す。

 また、自社農園では養蜂にも挑戦。養蜂家に教わって巣箱を設置し、採れたはちみつも販売。昨年からははちみつ採取のワークショップも展開する。

 工房スタッフらは「自社農園で育てたものを通じて、糸島の元気を届けたい」と、自信作を手に笑顔を見せた。

糸島げんき工房
糸島市志摩新町381-1
Instagram 糸島げんき工房

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

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