【糸島市】文化芸術推進で活発意見

市計画にアドバイザー参加

 糸島市は6月18日、本年度策定予定の文化芸術推進計画に、市民や専門家の多様な意見を反映させるため「アドバイザーヒアリング」を市役所で行った。第1回となるこの日は、文化団体や社会奉仕団体の関係者、九州大学の研究者、市民公募の委員など7人がアドバイザーとして出席。計画の方向性やテーマ、基本的な施策について、活発に意見が出された。

多様な市民が意見を出し合った会議の様子

 計画策定に向けて、九州大学大学院芸術工学研究院の長津結一郎准教授らが業務委託を受け、同市の文化芸術活動の現状と課題を幅広く把握するため、市民アンケートなどを実施。その結果や、ブランド政策課、地域福祉課、子育て支援課など、七つの関係部署による庁内連携会議の内容をもとに、計画の柱として四つの軸が提案され、これをたたき台にして意見が交わされた。

 ヒアリングでは、文化芸術活動を活発にさせるための人づくりと環境づくりについて、さまざまな意見が出た。
 教育の分野では「教育現場で生の芸術に触れる機会を」「乳幼児期など小さいころからの芸術体験を」と文化芸術教育の充実を求める声が出た。障がいの有無などさまざまな違いを持つ人々が分け隔てなく、芸術活動に参加できる場づくりの視点も大切との指摘があった。

 また、文化芸術活動を支えていくための協力体制づくりについて「企業などが資金を提供して支援する仕組みづくりが重要」との提案があった。また、「ふるさと納税の返礼品に文化芸術活動への支援を組み込む」といったアイデアも出された。

 伝統文化の継承も大切な課題として取り上げる意見があった。「祭りなどの担い手をどう確保し、受け継いでいくのか」との指摘に「体験を通して広く伝えていくべき」との意見が出るなど、次世代への伝承方法の工夫を求める声もあった。

 地域の特性を盛り込んだ計画にすべきとの意見も多く出た。「自然の中でのアート鑑賞など、糸島ならではの芸術空間がある」との声が上がり、豊かな自然の中での発表の場づくりの提案の他、「創作活動だけに視点を絞るのではなく、文化芸術が育っていくようにまちづくりを進めていくことも視野に入れてほしい」といった意見も出され、文化芸術とまちづくりを一体的に捉える必要性が話された。

 市民アンケートでは、文化的環境に「不満足」との回答が約4割を占め「文化的環境は地域への愛着や誇りとなり、これからも糸島で暮らし続ける上で重要」との声も71.1%に上った。

 ヒアリングは今後、3回実施。市はアドバイザーや職員の意見を分析、計画素案を作成し、来年3月までに計画を策定する。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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