【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.125(6/20号掲載)

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ミニトマト栽培のポイント

 春夏野菜栽培の人気ナンバーワンは、やはりミニトマトではないでしょうか。すでにご紹介したナスやピーマンも人気野菜ですが、ミニトマトには、お子様からご年配の方まで幅広いファンがいます。栽培する人たちだけでなく、消費する側からも人気があるようです。

 ちなみにタキイ種苗さんの好きな野菜アンケート調査では、大人の好きな野菜の1位はトマトで、お子さんが好きな野菜でもトマトは3位と根強い人気ですね。ぜひ、プランター栽培で、家族で育て、おいしくいただく醍醐味(だいごみ)を味わっていただきたいと思います。そこでミニトマト栽培で特に注意していただきたいポイントをご紹介いたします。

プランターに植えたばかりのミニトマト
1カ月後のミニトマト

 追肥

 花をつけるまでは、葉色がよく、病害虫の発生も少なく、バランスよく育ちます。小さな実をつけ始めた頃から徐々に養分の消費量が多くなっていきます。1房に10~12個ほどの実をつけますから、栄養補給をしてあげないと、糖度は乗りません。着果した頃に、半握り(約15グラム目安)を株元へ施肥することを心がけてください。しかし、ここで注意点が! 追肥は重要ですが、1度にたくさんの量の追肥を与えてしまうと、茎が異常に大きくなり、茎の中心部が割れ、葉は色濃く縮れはじめ、花は落花してしまいます。追肥は少し控えめに与え、もし、不足気味でしたら追加した方が失敗しません。

 次に、ぐんぐん成長する株の先端部をよく見てみてください。「花芽やつぼみに白い産毛らしいのがびっしり発生していますか」。キラキラとびっしり発生していたら、健全でバランス良い生育の証しです。逆にあまり産毛が発生していないのは、生育が弱い状態を指します。

産毛が多いのは健全な生育の証し

 原因は「油かすなどの窒素肥料の投与が多すぎた」「水やりが多めであった」「日影が多く、日照不足傾向」などが考えられます。対処としては、追肥や水分補給を控え、なるべく太陽光が当たる場所で管理すると良いでしょう。

 逆に先端の葉が両手を上向けにしたように立っている状態でしたら、完全に肥料不足のサインです。早く追肥を与え、株の成長を助けてあげてください。JA糸島アグリでは、サトウキビから作られた追肥専用肥料もございますので、売り場でご確認ください。

 ミニトマトは管理次第では、朝晩の冷え込みが感じられる11月ぐらいまで収穫可能で、食卓や弁当を明るくしてくれる野菜です。

 さあ、今年のミニトマト、1株から何個の収穫できるでしょう。ぜひ、楽しみながらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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