【糸島市】子育てや思春期の悩み オンラインで受け付け

糸島市 県内で初めてスタート

 糸島市は6月から、妊娠や出産、子育てや、小中高生の思春期の悩みを小児科医らにスマートフォンなどで相談できるサービスを、県内で初めてスタートした=写真。「下痢(げり)で保育園を休んだけど、登園できる目安を教えてほしい」「妊娠してから便秘と腰痛がつらい。改善策や使える薬は」「母乳が足りているか心配。ミルクは追加で必要?」など、オンラインで相談(無料、通信料は自己負担)できる。

 「いつでも相談」24時間365日、ウェブサイトから子どもの発熱や発疹(ほっしん)▽発達に関する相談▽学校生活の悩み▽体や性について-などの質問を送信すると、原則24時間以内に医師または助産師が回答する。

 「夜間相談」平日午後6時~同10時、1枠10分の予約制(最短15分で予約可)で、LINE(ライン)や音声通話、ビデオ通話、電話でリアルタイム相談ができる。対象はいずれも市内在住の子育て世代、市内在住・通学の小中高生。

 「日中助産師相談」(月・水・金の午後1時~同5時)は予約不要で、助産師とLINEチャット形式で相談できる。対象は市在住の妊産婦と子育て世代。

 市は昨年9月に「糸島市こどもの権利条例」を制定し、今年4月には妊娠・出産から子育て、教育、子どもの権利に関する相談をワンストップで受け付ける「こども・子育て総合相談窓口」を市民交流センター1階に開設。福祉や母子保健に加えて教育分野とも連携し、県内でも珍しい横断的な体制を整えた。

 オンライン相談は市が、「相談機能の充実を図る重要な柱」と位置づける。業務委託先のKids Public(小児科医・橋本直也代表、東京都)は、全国194自治体で同様のサービスを実施している実績がある。本年度の業務委託費は、約480万円。

 相談への夜間・24時間対応が求められる背景には、「対面や電話での相談のハードルの高さ」「時間や場所の制限」「共働き・孤立化する家庭への対応ニーズ」がある。

 市子育て支援課は「相談への敷居を下げることで、これまで相談をためらっていた保護者や子どもたちにも気軽にアクセスしてもらえる機会になれば」と期待を寄せ、「電話や対面はもちろん、時間や場所に縛られずスマホで相談できることで、働く世帯や思春期の子ども本人など、これまでつかみきれなかったSOSにも応じられる体制を強化したい」と意気込む。相談内容から虐待を疑うケースなどリスクが高いと判断した場合は、市や福祉機関などと連携し、オンライン相談にとどまらず直接的な支援につなげる。

 登録方法は、市子育て支援課や同センターに設置しているチラシや、市ホームページから「合言葉」を入手し、サイトでメールアドレス認証と必要事項を入力する。

 Kids Publicの橋本代表は「現在、医療者が250人以上所属している。夜間に病院に行くべきか迷うような状況でも、オンラインで小児科医からアドバイスを受けることで、実際に急いで受診したケースはわずか1%だったというデータもある」と説明し、従来の病院や相談窓口だけでは行き届きにくい、潜在的な悩みを抱える人たちに向けて「待っているだけでは届かない不安や孤立があると思う。スマホを通じて安心を手のひらに届けたい。どんな小さな悩みにも寄り添い、孤立を減らす一助になれば」と語った。

オンライン相談窓口 → 妊娠・出産・子育ての相談をオンラインで受け付けます
こどもオンライン相談窓口 → からだやこころ、学校や家での悩みをオンラインで相談できます

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

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