地域住民交流の場に
毎月1日の早朝、糸島市の前原商店街に続々と人々が集まる。手にするのは、トングとごみ袋。商店街の店主や移住者、大学生などが会話を楽しみながら、通りや店舗周辺に落ちたごみを拾い集める。

この清掃活動は「前原もっと楽しもうプロジェクト」として、有志らが実施。活動の中心は、ゲストハウス「前原宿ことのは」を営む野北智之さん・佳奈さん夫妻と、オープンコミュニティスペース「みんなの」を運営する福島良治さん。「前原のまちが好きな人を増やしたい」という思いから、2018年に始めた。
午前8時になると、参加者たちはごみを拾いながら、「紅屋」前に集合。ここでは、近況報告や初参加の人の自己紹介、イベント告知などが行われ、和やかな時間が流れる。その後、各自イリスロードやJR筑前前原駅前のごみを拾い集めながら丸田池公園へ向かい、活動を締めくくるのが恒例だ。昔ながらの住民と移住者が交流できる貴重な場にもなっている。

今月1日の活動で88回目を迎えた。20人が参加し、この日拾ったたばこの吸い殻は238本。「いつもより少ない方」と佳奈さんは話す。

「『まちの活性化って言ったら、やっぱりごみ拾いからだよね』という話から始まった」と話す智之さん。「当初、商店街は空き店舗ばかりだったけど、最近は新しい店も増えてきた」とまちの変化を語る。
ごみ拾いは一人でもできる活動だが、仲間と続けることで、まちへの愛着や人とのつながりが生まれる。智之さんは「予算もかからないし、いつまでも淡々と続けるのが長続きのコツ。参加する人が楽しんでもらえれば、それが一番」と話していた。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)