【糸島市】泊伝統の盆行事

盆綱引き 盆踊り

 糸島市泊二行政区で15日、伝統の盆行事「盆綱引き」が行われた。集落内の緩やかな坂となった道路にロープ綱を広げ、地域住民が上手(かみて)、下手(しもて)に分かれて綱を引き合った。子どもが多い上手が力いっぱい綱を引き、勝負を決めた。

生後間もない乳児も上手で綱を引いた

 強い日差しの残る午後5時、景気づけの太鼓が町内に響くと、子どもたちやその家族、里帰りの懐かしい顔ぶれが続々と集まった。勝負は3回。3敗を喫しそうになった下手に援軍が加わり、接戦の末に1勝を挙げ、しきたり通り上手が2勝1敗で勝ち越した。玉のような汗をかきながら綱を引いた参加者たちは、無病息災を願ってお神酒を飲み、笑顔で談笑。その後、それぞれの家に迎えていた先祖の魂を地区の納骨堂へ送りに向かった。

 この盆綱引きは「子どもが、地獄に落ちた人をお盆に引きあげるため」と言われ、約300年前から続く。「先祖供養と地域の絆を深める大事な行事」と中田洋一区長は目を細めた。

 恒例の盆踊りも14日と15日の2日間にわたり催された。華やかに飾り付けられたリヤカーに太鼓を据え、小中学生による笛や、三味線、口説きが加わったにぎやかなお囃子(はやし)の中、住民たちが輪になって踊った。

初盆を迎えた家の軒先で盆踊りを踊る住民たち

 15日は納骨堂での盆踊りを皮切りに、初盆を迎えた3軒を訪れて御霊を供養。道沿いには、地域の子どもたちが描いた絵を張った灯籠約30本が並び、日の暮れた集落を幻想的に照らした。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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