保護司会と薬剤師会
糸島保護区保護司会(田中三香子会長)は8月27日、大麻取締法違反など薬物関連の犯罪を防止し、罪を犯した対象者の立ち直りを支えるため、薬の専門家である糸島薬剤師会(細川禎久会長)と連携協定を締結した=写真。協定締結により、両団体が協力して犯罪防止に取り組むことで、安全・安心なまちづくりを目指す。同保護司会によると、保護区レベルでの保護司会と薬剤師会の連携協定締結は、県内初という。

県内で大麻に関連する罪で検挙された人は2023年、475人と過去最多を更新。うち約8割を30歳未満の若年層が占め、「若年者大麻乱用期」の渦中にあるとされている。
糸島保護区保護司会では、保護司が薬物関係の対象者の相談に乗る際、薬物が健康に及ぼす影響などについて専門的な知識が必要であることから、今年5月に糸島薬剤師会に連携協定の締結を打診した。
協定書では、両団体が相互理解を深め、薬の知識や薬物依存の怖さなどについての研修や、薬物犯罪予防に向けた啓発活動などに協働して取り組む。
市市民交流センターで行われた締結式で、田中会長は「連携協定が締結できたことは、とても心強い。薬物について学びながら、対象者の再犯防止に向けて協力ができたら」、細川会長は「まずは互いの理解を深めるところから始めたい」とあいさつ。
立会人を代表し、福岡保護観察所の保護観察官、矢野安洋さんは「今回の連携協定締結は、全国的にみても画期的な試み。前例がないので手探りになるとは思うが、それぞれの立場で多様な協力関係を築くことができると信じており、この取り組みが実を結ぶよう願っている」と期待を寄せた。
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