【糸島市】ごみ減量へ 家具再生に励む

障害者雇用支援月間 糸島の施設の取り組み

リサイクルプラザで働く大庭さん

 9月は障害者雇用支援月間。就労支援の現場では、多くの障がい者が社会とのつながりを築いている。糸島市志摩にあるクリーンセンター併設のリサイクルプラザもその一つ。ごみの減量化を目的に設けられた同施設では、社会福祉法人悲田院SunSunの利用者が、リサイクル家具の再生作業に取り組んでいる。大型ごみとして搬入されたものの中から状態の良いものを選び出し、丁寧に清掃して家具としてよみがえらせ、市民に抽選により格安で販売している。

ガラスの入ったものなども、蝶番(ちょうつがい)から全て外して一つひとつ磨き上げていく

 市と委託契約を結びリサイクルプラザを運営する同法人では、利用者9人と支援員2人が、施設管理や家具のリサイクル作業に加え、不燃物と可燃物の分別をする解体作業にも取り組む。

 働き始めて10年目を迎える大庭匡貴さん(33)は、解体したスチールラックをスチールたわしで磨き、汚れを一つひとつ落としていく。「汚れていた家具がきれいになり、市民の方が喜んで購入してくださる姿を見るとやりがいを感じます」と話す。

隙間の汚れを丁寧に磨く大庭さん

 解体作業はスプリングベッドを分解して可燃ごみと金属に仕分けるなど、根気のいる仕事。作業場の壁には写真付きで手順を掲示し、誰もが自分のペースで作業に取り組めるよう工夫されている。

 大型の家具のほか、骨とう品やテントなどさまざまな物品が持ち込まれるが、SunSunの野中洋輔支援課長は「利用者さん一人ひとりの特性に応じて作業を依頼し、けががないように支援員がサポートする体制を整えている。安心して働ける環境を心がけている」と語る。

 一般就労を目指して求職活動中の大庭さんは「社会のルールやマナーを身に付け、ここでの経験を次のステップにつなげたい」と自信をのぞかせる。

 リサイクルプラザで再生された家具などは3週間展示され、月に一度の抽選会により市民に販売される。
 笑顔で家具を持ち帰る市民の姿が、利用者たちの明日への励みとなっている。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

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