【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.137(9/19号掲載)

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秋冬野菜栽培 ~家庭菜園シリーズ ダイコン編~

 常態化する夏の猛暑を受け、気象予報士の方がこんな表現をしていました。「日本の四季は五季になった。春・夏・酷暑・秋・冬」。または「短い春と長い夏と冬の三季」になったなどとの表現もあります。ただ、暑いとはいえ、大事な秋冬野菜の栽培。家庭菜園者の方に向け、栽培法を解説いたします。

 その1回目は「ダイコン」。土壌の適応性は広く、やせた土地でも育つので、栽培しやすい野菜です。ただし、根が深く張るので、土が浅すぎたり、未熟な有機物、石などがあったりすると変形しやすくなります。そのため、深く耕し、排水の悪いところではなるべく畝を高くしてあげてください。

 栽培しやすいタイプですが、播種適期の幅は比較的短く、早まきをすると病害虫の発生が多くなり、遅まきになってしまうと肥大不良となってしまいます。本葉4枚時から根の肥大が始まるので、この時期から必ず肥切れ、水不足にさせない管理が大切です。

 さて、種まき2週間前には、1坪当たり、堆肥を7キロ、石灰を350グラム、有機化成肥料を300グラム、土とよく混ぜ合わせてください。畝幅120センチ、条間60センチ、株間30センチのまき穴をつけ、1穴に3粒目安でまき、1センチ程度覆土(土をかぶせる)してください。

 発芽がそろったら、間引きが必要です。1回目は本葉1枚で3本立て、2回目は本葉6~7枚で1本立てにします。間引きが遅れると株が軟弱徒長するので、遅れないようにしてください。その後生育を見ながら追肥をし、軽く中耕、土寄せしてください。ただし、本葉7枚の頃が最後の追肥タイミングです。

 収穫は、秋まき栽培では、青首品種では種まきから約60日で、漬物品種では約70日で収穫となりますが、品種によって異なり、収穫が遅くなると「ス入り」が発生したりするので、早めに収穫するように心がけてください。

 家庭菜園の方へのおすすめ品種が、根が比較的伸びないものの、肉質が柔らくて、おいしい短形サイズの「おでんダイコン 味福(株式会社トーホク)」「三太郎(タキイ種苗)」が栽培しやすくイチオシです。また、いっきに畑に種をまかずに、1週間程度、3回に分けてずらしてまくと随時収穫ができるようになります。今年の冬、ご自分で育てたダイコンで、味わい深い「おでん」を楽しんでみてはいかがですか。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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