ユニシスなど3社 75人の雇用創出へ
医療用の麻酔針などの設計から製造、販売までを一貫して手掛けている株式会社ユニシス(本社・東京都、齋藤英也代表取締役)が、糸島市多久の前原IC地区北産業団地内に新工場(九州工場)を建設する。6日、福岡県立ち会いのもと、同社と糸島市、糸島市土地開発公社の3者で企業立地協定を、また同社と市の2者で環境保全協定をそれぞれ締結した。投資額は約18億円。操業開始は2027年春を見込み、将来的に正社員15人、パート社員35人の計50人の新規雇用を計画している。

ユニシスは1978年創業。資本金2340万円、売上高30億5000万円(25年7月期)。製品の85%が海外向けで、五大陸50カ国以上と取引するグローバル企業。
新工場の立地予定地は、敷地面積約3000平方メートル、延床面積約2300平方メートルの鉄筋構造3階建て。針の研削(加工)から組立、包装、滅菌まで一貫して生産できる体制を整え、生産拡大とBCP(事業継続計画)対策の強化を図る。
市役所で行われた調印式で、同社の齋藤代表取締役は「糸島市は、中小企業の立地において理想的な場所。福岡空港からの抜群の交通アクセス、大都市福岡に近く人材確保が見込める立地など、全ての条件がそろっている。東日本大震災などがあり、BCP対策の重要性を痛感した。埼玉、北海道に続く第3の生産拠点として15年来の悲願だった九州工場がようやく実現する。この3工場体制で医療用針の安定供給を確保し、100億円企業を目指していく」と抱負を語った。月形市長は「本市で製造される針が、世界で人々のために貢献できるのは大変喜ばしい。雇用についても、操業時には新規で15人、3年後には35人、うち8割以上を糸島市から雇用いただけると聞いている。新たな雇用の拡大にもつながり、地域経済にもいい影響を与えてくれる」と歓迎した。

九州工場では、初年度は月産5万本、3年後には年間100万~150万本の製造を目指す。
同産業団地へは企業進出が相次いでおり、9月25日には卸売業の株式会社福岡非鉄メタル(糸島市多久、溝口鉄雄代表取締役)が物流倉庫建設で企業立地協定と環境保全協定を締結。投資額約4億円で敷地面積約3100平方メートル、延床面積850平方メートルの倉庫を建設し、26年6月操業開始予定。操業後3年以内に新規雇用16人(社員9人、パート7人)を計画している。
1日にはケイズ・エンジニアリング株式会社(福岡市西区、夏井実良代表取締役)も企業立地協定と環境保全協定を締結。船舶、各種油圧機械修理業を手がける同社は、敷地面積約2000平方メートル、延床面積1800平方メートルの事業所(工場、事務所)を建設し、28年1月操業開始予定。操業後3年以内に新規雇用9人(社員8人、パート1人)を見込む。
3社合計で75人の新規雇用が見込まれ、地域経済の活性化が期待される。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
