【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.141(10/17号掲載)

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秋冬野菜栽培 ~家庭菜園シリーズ レタス編

 あと1週間もすると、二十四節気の霜降。霜が降り始める頃を意味し、寒さを実感し、朝晩は特に冷え込むようになる時期。実際に霜が降りるかどうかは地域や年によって異なりますが、この時期を境に冬の気配が深まり、本格的な冬支度を始める目安とされています。

 とはいえ、夏からの気温の高さは続き、冬の寒さのイメージが、なかなか浮かびませんね。特に、今回のテーマのレタス。発芽適温や生育適温が15~20度。高くても23度と言われています。同じ葉物野菜のキャベツは、本来冷涼な気温を好みますが、生育可能温度は5~30度ですので、多少の暑さ、寒さは耐えますが、レタスは25度を超えると発芽不良や生育抑制が起こり、30度以上では正常な生育や結球が困難になります。

試験栽培中のレッドリーフレタス(写真左)と芽キャベツ苗(写真右)

 レタス栽培での土づくりのポイント。

 ◎根の分布が浅く乾燥に弱いため、堆肥などの有機物をしっかり施し、排水が良く保水力のある土壌づくりが大切です。
 ◎pH5・2以下では生育不良となるので、かき殻石灰、または苦土石灰などの資材を施用してください。

 ◎降雨などによる土の跳ね返りを防ぐため、マルチ栽培がおすすめです。

畝幅と植付間隔 株式会社トーホク

 土づくりと肥料は(各1坪当たり)、完熟堆肥7キロ、かき殻石灰または苦土石灰450グラム、ケイ酸カリ80グラム、元肥は有機配合350グラムと発酵鶏ふん100グラムをよく土と混和し、土に適度の水分があるか確認し、マルチで覆います。

 苗の植え付けは、幅70センチ、高さ15センチ程度のマルチ張りの畝を作り、条間30センチ、株間20センチ間隔で行います。植え付け時の重要なポイント。

 ◎本葉3枚くらいが植え付けの適期で、若苗の方が速やかに活着します。

 ◎根の再生があまり強くないため、根鉢をくずさないように注意して植えます。植え付けは天気がよい日を選び、その後しっかりと希釈した液体肥料を与えると活着が安定します。

 レタスは夜行性のナメクジによる食害被害が多く、さらに食害痕から病原菌が発生し、異臭を放ち株が腐敗する軟腐病の原因ともなります。市販のナメクジ忌避材などで早期に対処しておくことをおすすめします。

 リーフレタスは適度に育ったところで外葉から少しずつかき取れば、繰り返し収穫できますし、玉レタスは8割結球くらいを目安に収穫してください。切り口から出る白い乳液は水を浸した布で拭き取ります。

 切り口の乳液は苦味成分のラクチュコピクリンを含むポリフェノールの一種で、腐敗ではなく、レタスが傷ついたときに細菌から身を守る役割があり、空気に触れると赤紫色や茶色に変色し、傷んだように見えます。食べても問題がない抗酸化物質で、個人的には収穫時、白い乳液がたくさん出るほど、免疫力が高いレタスが育っていると勝手ながら解釈しています。

 寒さに強いレタス。今から育てやすい野菜の一つです。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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