「福岡マラソン2025」9日号砲
福岡の街を駆け抜け、糸島へ-。福岡マラソン2025(福岡、糸島両市など主催、西日本新聞社共催)が9日に開催される。今回は過去最多の約1万5,000人がエントリーし、九州最大の市民マラソンとして注目を集めている。42.195キロの壮大なコースに挑む糸島のランナーたちに、当日への思いを聞いた。
家族の声援を力に —潤の冨永俊英さん—
糸島市潤の冨永俊英さん(51)は、福岡マラソンに5回目の挑戦。30代の頃から九州各地の大会を走り抜いてきたベテランランナーで、「走り切った時に『人間やればできる』と思える瞬間が好き」と笑顔を見せる。

海と山が織りなす豊かな自然の風景を楽しめる福岡マラソンは、冨永さんにとって特別な大会だ。「海からも漁師さんが声援を送ってくれて、こんな大会って他にないですよね。地元ならではのコースは、走っていて楽しいです」とその魅力を語る。
生まれも育ちも糸島。沿道から送られる地元の声援は、冨永さんにとって何よりのエネルギーになる。中でも、毎回応援に駆けつけてくれる長女の桜花(さくら)さん(13)の存在は一番の力の源だ。「6年前から剣道に打ち込んでいる娘に、42.195キロをがんばって走っている姿を見せたい。お互いに努力して、リスペクトし合える関係でいれたら」と胸の内を明かす。
今年の目標タイムは5時間。糸島の自然と人の温かさを背に受け、冨永さんは家族が待つゴールへひたむきに駆け抜ける。
走って心も健やかに —前原南の田口純美さん—
今年で3回目の福岡マラソン出場となる、糸島市前原南の田口純美さん(47)。運動不足解消のために始めたランニングだが「マラソン出場という目標があるから続けられる。最大のモチベーションです」と醍醐味を語る。

コロナ禍の2020年、田口さん一家は東京から糸島へ移住。都内では買い物も通勤も自転車か徒歩中心で、体を動かす機会が多かったが、移住後は何をするにしても車での移動が中心。「道具もチームメートもいらない、自分ひとりでできる手軽なスポーツ」としてランニングを始めた。走り始めてみると、地域には意外と多くのランナーがいて、共通の話題で盛り上がるなど新しいつながりも生まれた。
6月からは「1カ月100キロ」を目標に走る。子どもたちが起き出す前の朝が、自分の時間だ。「長期的な視点で健康を考える年頃。体を動かすことでメンタルも健やかになれる」と爽やかに笑う。
今年は、中学1年の長女がボランティアとして参加し、35キロ付近の補給所で出迎えてくれる予定。
「走り終えた後のビールは、この世のものとは思えないくらいおいしいんですよ」。完走後に味わうあの一杯を思い浮かべながら、今日も練習に励む。
ランナーを花で応援
糸島市志摩の可也校区区長会の呼びかけで10月15日、可也小児童と市商工会、JA糸島志摩支店など8団体が協力し、同小で福岡マラソン(9日開催)のフィニッシュ会場を飾る花を準備した。
花いっぱい運動は、同校区の地域学校協働事業の一環として実施。同小4年生約100人と、同区長会など地域団体の関係者が協力。坂田園芸(同市志摩小金丸)の坂田和之さんが花苗の植え方を指導し、子どもたちは黄色や薄い紫、白などの色が違うパンジー5株をプランターに植え、土をかぶせた=写真。

1個のプランターには5色の苗を植える形で作業が進められ、160のプランターが完成。子どもたちは持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、雑草を肥料化する活動にも取り組んだ。
プランターは各団体が分担し、福岡マラソンが行われる9日まで水やりなどの管理を行う。マラソン終了後は、各団体が持ち帰り、地域で活用されるといい、咲き終わった花を摘むなど丁寧に手入れすると、来年のゴールデンウイークくらいまで花が楽しめるという。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
