加布里漁港に、常設のカキ小屋2棟が完成し10月23日、bが開かれた。糸島漁業協同組合による常設化は、岐志9棟、船越7棟に続き3漁港目。国の新制度「漁港施設等活用事業」に全国で初めて採用されての整備となり、冬の名物「糸島カキ」を盛り上げる。
完成した2棟はいずれも鉄骨造平家建て。1棟あたり面積は288平方メートル、客席は各約200席。出入口のスロープや多目的トイレを設置し、車椅子利用者や高齢者、子ども連れでも安心して利用できるバリアフリー対応となっている。
総事業費は1億2,752万円。内訳は、県の交付金(国からの補助を含む・特定目的の財政支援)5,778万円、市の水産業振興対策事業補助金333万円、漁協負担6,641万円。
市内のカキ小屋などは現在、24軒。年間で52万人を超える来訪があり、加布里のカキ小屋だけでも冬場の漁閑期に約60人の雇用を生み出している。常設化により、これまで毎シーズン繰り返してきた仮設施設の設置・撤去コストが削減され、衛生管理や排水処理の徹底などの環境が整った。
今回の整備では、昨年4月に運用が始まった国の新制度を活用。これまで国の補助事業で造成した用地には飲食店を設置できなかったが、同制度により市が策定した活用計画に基づき、最大30年間の長期貸し付けが可能となり、飲食店も設置できるようになった。市は今年1月、「加布里漁港活用推進計画」を策定し、全国で初めて水産庁の認定(第1号)を受けた。

しゅん工式には漁業関係者や市関係者ら約60人が出席し、もちまきで完成を祝った=写真。同漁協の仲西利弘組合長は「カキ小屋は、冬の水産業を支える核であり、食品衛生管理の向上などを図るため、常設事業に着手した。これからも地域の漁業の振興と安心安全な水産物の供給に努めたい」と話した。
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