【糸島市】誓願寺で創建850年記念法要

開運願い火渡りに多くの参拝者

 福岡市西区今津の誓願寺で16日、創建850年を記念する法要と火渡り護摩が営まれた。誓願寺は1175年、当地の豪族・中原氏の娘の願いで、臨済宗の開祖・栄西を招いて創建された歴史ある寺院。国宝や重要文化財を多数所蔵することでも知られ、今年、節目となる850年を迎えた。記念法要に集まった檀家らは、仏の加護を祈って手を合わせた。近隣からも開運や厄除けを願う多くの参拝者が訪れ、火渡り護摩に参加した。

熱を持った燠の上を踏みしめ渡る参拝者

 山伏姿をした僧侶が広場に組まれた木とヒノキの青葉に火を点けると、赤い炎と白煙が勢いよく立ち上った。読経の声や錫杖(しゃくじょう)、太鼓、ほら貝の低音が響き合い、境内は厳かな雰囲気に包まれた。

 日常的に使うものを炎で清めることで新たな福を呼び込むとされるため、参拝者は大切な品が入ったかばんや数珠(じゅず)などを僧侶に手渡し、僧侶らはお経を唱えながら清めた。火勢が落ち着くと燠(おき)がならされ、火渡りの道が整えられた。僧侶らに続き、裸足になった参拝者は、両脇でヒノキの葉がくすぶる中、熱を帯びた燠の上を次々に渡った。

 西区から訪れた磯部大樹さん、陽奈子さん夫妻1歳の泰樹くんを連れて参拝。願い事を書いて火にくべる護摩木には「家内安全」と記し、家族そろって火渡りに臨んだ。「足裏があたたかかった。煙に驚いて息子は泣いたが、良い経験になった」とほほ笑んだ。

 前屋秀光住職は「地域の檀家さんのおかげで無事に、節目の850年を迎えることができた。参拝くださった皆さんにも大変感謝している」と安どの表情で語った。

 記念としてアクリル板の特別な御朱印も配布され、参拝者はお守りとともに大切に持ち帰った。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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