【糸島市】守る会発足 25周年祝う

オオキツネノカミソリ

 井原山(標高982メートル)の中腹に群生する希少な高山植物「オオキツネノカミソリ」を守り、登山環境の美化に取り組んでいる「糸島市瑞梅寺オオキツネノカミソリを守る会」(井上和雄会長)が発足25周年を迎え、16日に糸島市瑞梅寺の山の家で記念イベントを開いた。

あいさつをする井上和雄会長

 オオキツネノカミソリは、ヒガンバナ科の多年草。開花は7月中旬から下旬頃で、水無登山口付近からオレンジ色の花々が登山道沿いを一面に彩る。

 会は2000年7月に発足。登山ブームで井原山を訪れる人が増え、花の根元を踏みつけたり持ち帰ったりする事例が見られたことから「美しい群生を守り、より多くの人に楽しんでもらいたい」と活動を始めた。現在は糸島市や福岡市の約30人が所属。毎年7月の定例活動では、登山道の整備・補修、案内看板やベンチの製作・設置を行うなど、環境保全に取り組んでいる。

井原山に群生するオオキツネノカミソリ

 イベントでは、事務局の後藤義明さんが会の歩みを紹介。「今年も花が美しく咲き、多くの登山客から『まるで天国のようだ』と喜んでいただいた。花を守ることは自然を守るだけでなく、人の心も健やかにしてくれる」と語り「これからもオオキツネノカミソリが咲き続ければ、皆の喜びも続いていく」と思いを述べた。

 また会員の守口正一さんは、井原山に咲く希少な草花を自ら撮影した写真とともに紹介。「糸島ば語る会」の吉丸克彦さんは「糸島の植物と万葉集」について、筑紫女学園大学名誉教授の中村萬里さんは「糸島の方言」について講演を行い、地域への理解を深める時間となった。

 井上会長は「花の群生地は少しずつ増え、皆さんのおかげでしっかり守られている。これからも30年、40年と次の世代に引き継いでいきたい」と意気込みを新たにしていた。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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