西日本新聞セレクトモール
アーティスト、大川博さんによる本紙の風景画連載「糸島八景」で、「可也山への一本道」をテーマにした作品販売が西日本新聞セレクトモールで行われている。インターネットで通販が楽しめるショッピングモールで、電話でも受け付けている。

電子ペンで描いたデジタルペインティング。今回は、可也山へと続く一本道を舞台に、四季の光と人の歩みを描いた8枚の連作。
デジタルペインティングをリトグラフ風に仕上げて額装。
100枚限定でエディションナンバーをつけ、落款を押している。
《価格(税込)》
1枚(額装)送料込み …1万2千円
4枚セット(額装は1枚のみ)…3万5千円
8枚セット(同) …6万4千円
ご購入の申し込み
西日本新聞セレクトモール
電話 092(558)8127(平日午前10時~午後5時)
※電話によるお申し込みは12月2日以降
URL セレクトモールのウェブ
―可也山へと続く一本道 ― 春夏秋冬 ――
可也山へと続く一本道。
「道」は人生、「山」は目標、「田畑」は環境、そして「光」は希望。
そこに流れるのは、四季の光と人の歩み。
春の水張田に宿る誕生の輝き。
初夏の稲波を渡る風。
出穂の盛夏を過ぎ、秋には黄金の穂が頭を垂れる。
晩秋は大地が休むとき。
初冬には蒔かれた麦が青く芽吹き、
弥生にはその青麦が天を仰ぎ、
やがて春、麦は黄金に染まり、麦秋を迎える。
可也山は静かに見守り、ふもとの家並みは変わらず、
ただ、時の記憶だけが幾重にも重なっていく。
母の腕に抱かれた幼子のとき。
親に手を引かれ歩いた幼年のとき。
友と遊び、夢を語りあった少年のとき。
一人で歩き始めた青春のとき。
伴侶と出会い、家族を築くとき。
子を育て、自らも成長したとき。
そして巣立ちを見送り、静かな成熟のときを迎える。 自然の循環は人の営みと呼応し、
「生きる」という美しさを静かに語りかける。
季節と人生はひとつの円環を描き、
過去と未来、始まりと終わりが光の中でやわらかく溶け合う。
観る者それぞれの記憶に触れ、
懐かしさと再生の想いが、静かに胸の奥に灯る――。
1 水張田

水を張った田に春光が揺れる。母に抱かれた赤子のとき。生命の鼓動が静かに始まる。
2 青稲

若葉の風が田を渡り、親と子の歩幅がそっと重なる。未来は、今この一歩の中にある。
3 出穂

緑の海に陽がきらめく。朋と寄り添う影は成長の時を迎え、永遠の誓いを風に託す。
4 収穫

黄金の稲穂が風にそよぐ。独り立つ背に、収穫と親から巣立つ季節が静かに訪れる。
5休耕

茜色の空の下、ふたりの影が帰り道を歩む。夕映えが過ぎし日々をやさしく包む。
6 出芽

たそがれ時。団欒のぬくもりが、消えゆく光の中にやわらかく混ざり合う。
7 青麦

無数の星が夜空を満たす。子どもが巣立つとき、永遠の中に小さな命の光がまたたく。
8 麦秋

満月が黄金の麦畑を照らす。寄り添う背に、すべての季節をめぐる静かな祈りが降りる。
