食品ロスや貧困の現状学ぶ
糸島市の糸島高の生徒が5日と12日、家庭で余っている食品を持ち寄り、必要としている人に届けるフードドライブに初めて取り組んだ。同高が総合的な探究の時間として実施する「糸高志学」の一環で、「フードロスについての研究」講座を選択した2年生38人が企画・運営し、全校生徒や教職員、地域住民から食品を集めた=写真。

同講座は5月から始まり、生徒たちは食品ロスや貧困の現状について学習。市内のスーパーや飲食店に電話したり、訪問したりしながら、食品ロスの実態調査にも取り組み、天気や気温に合わせて総菜の量を調整するなど、店舗で工夫を凝らしていることなどを学んだ。
フードドライブでは、同講座の外部講師を務めるフードバンク糸島Happiness(ハピネス)のまるおようこ代表や九州大の学生サークル「九州大学CHANCE」の協力を得て、生徒たちはポスターの制作や校内放送、SNSを通じて広報活動を展開。未開封で賞味期限が1カ月以上ある食品の寄付を呼びかけた。
5日の昼休み、同高多目的アリーナ前のピロティに設けられた受付には、缶詰や即席麺、乾麺などを手にした生徒らが訪れた。
2年生の馬場菜月さん(17)は活動を通じ、「貧困は遠い世界のことだと思っていたが、講座を通じて身近なところでも困っている人がいることを知った。この経験をもとに、自分ができる支援に取り組んでいければと思った」と語った。
まるお代表は「実際に食べるのに困っている人がいるという現実を1人でも多くの人に知ってもらいたいと、授業で生徒たちに伝えている。将来、生徒たちがボランティアをする時に、今回の経験を思い出して生かしてもらえれば」と期待を寄せた。
提供された食品は台帳に記録・仕分けされ、市内の福祉施設や子ども食堂などに届けられる。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
