【糸島市】“九大生が聞く!!ビジネス最前線 in糸島”地魚の魅力伝える事業展開

株式会社いとしのいとしま㊤  代表取締役社長 馬淵 崇さん(44)

 このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで事業活動している企業や団体を取り上げ、魅力を紹介しています。今回は、工学部3年の川原亮太が九州大学を卒業し、糸島の地魚にこだわった飲食店をはじめ、糸島初のワイナリーも運営する株式会社いとしのいとしま代表取締役社長の馬淵崇さん(44)に事業展開を通して地域をもり立てていく思いをうかがいました。

糸島のタイを手にする馬淵さん

-最初に手掛けたのが糸島漁協の直売所「志摩の四季」にある海鮮丼の店ですね。2011年に会社を設立して始められていますが、その経緯について教えてください。

 「九州大学農学部を卒業後、開発コンサルタントとして働いていましたが、より直接的に地域や生産者の方々から必要とされる仕事がしたいと感じました。そんな中、恩師とのご縁から糸島を訪れる機会が増え、地域の生産者の方々と関わる中で、現場が抱える課題を実感し『少しでも力になりたい』という思いが強まり、会社を立ち上げました」

-地魚の価値を高めたいとの思いから、『地魚BANK』という仕組みをつくられ、イベントやツーリズム事業など「体験型」の企画をされていますね。

 「現在は、地魚捌(さば)き教室『放課後じざかな倶楽部』や実際に漁師を訪ねる『地魚BANKうお旅』といった活動を通じ、地魚に実際に触れ、味わう体験を提供しています。飲食だけでは伝えきれない地魚の魅力を、体験を通して感じてもらうことでその価値を知ってほしいと考えています」

-さまざまな漁業関連の事業を進める中で、漁師の方々とはどのように関わっていますか。

 「この事業を進めるうえで、地域や漁師さんからの信頼は欠かせません。私は『地魚しか使わない』『仕入れで値切らない』という姿勢を徹底し、関係づくりを大切にしてきました。そうした積み重ねの中で、多くの糸島の漁師さんたちとご縁をいただき、協力しながら糸島の漁業を盛り上げる取り組みにつなげています」

-糸島の漁業の現状について教えてください。

 「海洋ごみ、海水温の上昇など、さまざまな課題はありますが、それでも糸島の漁業は非常に恵まれていると感じています。玄界灘という豊かな漁場を有しており、直売所も整っています。こうした高いポテンシャルを生かしながら、これからも地魚の魅力を多くの人に伝え、地魚のおいしさを知ってもらいたいと考えています」

志摩の店で提供する海鮮丼

 次回はワインづくりに挑むようになった経緯や今後の展望についてうかがいます。

《メモ》
 会社・住所=糸島市志摩津和崎33-1
糸島マスエワイナリ・住所=糸島市二丈松末712-1

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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