表現の楽しさプロから学ぶ —福吉小と前原小—
芸術家が学校を訪れ、児童に文化芸術体験を届ける「学び合いで高める!アウトリーチの創造実践ラボ」が、糸島市内の二つの小学校で行われた。市内の芸術関係者による「アーツいとしま」が、芸術家とともに創る学びの場にしようと、総合学習の時間を活用して開催した。
11月6日、糸島市二丈の福吉小では、4年生34人が音楽室で演劇ワークショップに挑戦。講師は、福岡市を拠点に活動する俳優・古賀今日子さん。古賀さんは「ワークショップは実験室。うまくいけば拍手、いかなければ『なんでだろう』と考える機会」と語り「演劇は人と人が協力して遊ぶもの」と子どもたちに伝えた。「催眠術師と催眠術かかり師」のワークでは、2人1組で相手の動きに集中。催眠術師の手のひらに視点を合わせた催眠術かかり師は、手のひらの動きと共に立ったり座ったり、まるで操られているような動きに。「警察と泥棒」「机といす」など次々に出されるお題に、子どもたちは目を輝かせ、全身を使い、自由な発想で次々と表現していった。古賀さんは「活発で心が開かれた子どもたちだったので、集中する面白さを共有できた」と振り返った。

11月19日には前原小体育館で、音楽ユニットⅤisions(ビジョンズ)によるワークショップを4年生約150人が体験。グランドピアノとコントラバスが奏でるジャズのリズムに、児童は自然と手拍子し体を揺らした。詩にメロディーを付けて歌にしたり、絵本朗読に合わせて児童が手作りの打楽器を担当したりと、多彩なプログラムが展開された。最後は校歌のジャズアレンジを大合唱。鶴園愛紗さんは「いつもよりテンポがゆっくりで歌詞をしっかりと歌えた」と笑顔を見せ「二つの楽器だけで音楽が広がるのがすごい」と興奮気味に話した。メンバーの間村清さんは「子どもの反応が全て。丁寧に書かれた感想文からも、さまざまな受け取り方が伝わる」と手応えを語り、塚本美樹さんも「学校という日常に飛び込む立場として、教科横断の要素も織り交ぜつつ『音楽は自由だ』ということを伝えたい」と話した。

2校での実践後、教師やアーティストらが輪になって感想を共有。「芸術を通して自分を開放し、表現し、受け止め合う楽しさを感じられていた」「日常にアーティストが入ることで風穴が開く」「等しく機会が与えられる学校だからこそ『チャレンジしたらおもしろかった』という芸術との出合いが生まれる」などの声が上がった。
アーツいとしまの松﨑早織さんは「アートを通して、子ども、学校、アーティスト、地域が横並びで学び合う場をひらく試み。学校と地域をつなぎ、子どもたちの豊かな育ちにつながる土壌を育てていきたい」と力強く語った。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
