川付川
糸島市白糸の熊野神社と、近くを流れる川付川で12月20日深夜から21日未明にかけて、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する伝統行事「寒みそぎ」が行われた。締め込み姿の男衆が冷たい川に入り、身を清めた。
寒みそぎは、室町時代の山伏の荒行が起源とされる行事。神社での神事の後、たいまつやちょうちん、奉納する米を手にした男衆を先頭に、約60人が200メートルほど離れた川付川へ向かった。気温は14度と例年より暖かかったが、雨が降りしきる中、男衆は次々と川に入った。

年男が川の上流で米をとぐ間、男衆は腰まで水につかり、「オイサッ、オイサッ」と声を掛け合いながら円陣を組んだり、水を掛け合ったりしてみそぎを行った。
奉納米は炊き上げた後、細い円すい形に盛って神前に供えられた。先端の傾き具合から来年の作況は「雑草の手入れを用心すれば平年並み」とされた。
今回初めて参加した糸島市の友岡謙晴さん(8)と友岡尊さん(10)は、親が白糸地区出身でいとこ同士。2人は「そろそろ自分たちにもできると思ってがんばった。水は冷たかったけど、気合いが入った」と誇らしげに話した。
白糸行政区区長の藤田勝利さん(68)は「若い人たちがこれからも活躍し、行事を引き継いでくれるとありがたい」と語っていた。
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