【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.150(12/26号掲載)

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一年を振り返り 失敗から学ぶこと大切に

 2022年11月18日にスタートした本連載はおかげさまで、今回号で150回目を迎えることができました。栽培の現場に出向き、生産者の方から技術的課題をお聞きし、栽培セミナーでは家庭菜園をされている方からの多くのご質問をいただき、その解決策を研究することで、私自身もさらに成長できました。

 さて、2025年を振り返りますと、6月には糸島に栽培試験農場を開設。土壌環境の検証や肥料、農薬など多岐にわたって研究することができました。ただ、栽培試験中、雑草対策の手遅れで大豆栽培が大失敗したことや、研究用に大切に育て順調に生育していた九条ネギがサルによって大部分を一瞬にして引き抜かれたことなどのトラブルもあり、さまざまな経験を積みました。生産者の方の苦労、家庭菜園の方の楽しみなど、いかに近い目線で考えられるか、失敗から学ぶことがいかに大事なことなのか、再認識できた一年でもありました。

雑草が勢いよく生え出した試験農場(大豆とキャベツ栽培)
猿に引き抜かれた試験栽培用ネギ

 皆様の野菜・果樹・お花などの栽培は、いかがでしたでしょうか。猛暑続きの長い夏と短いながらも寒い冬、春と秋を感じることが少なくなった季節の二季化。種まき時期や苗定植時期など、今まで通りの栽培法では通用しなくなったようにも思えます。

 幸いにも北部九州には台風の接近が一度もなかったことが、良かったのか、悪かったのか、複雑な気持ちです。ただ、鹿児島県や熊本県八代地域、福岡県宗像地域などに集中した豪雨被害では、大変なご苦労をされていると思います。いつどこで発生してもおかしくない災害は、農産物だけでなく、人の命まで奪ってしまうほどの規模になっています。

 世界的規模の経済変化で、日用品、食料品などの値上げが続き、お米や肉、野菜なども過去の市場価格より高くなっていますね。肥料の原料や畜産飼料、人件費、輸送費、燃料などの高騰が要因でしょうが、先が読みづらくなっています。

 気候変動や資材費高騰などで、栽培が難しくなっていく昨今。さらに、食や環境の大切さはプロの生産者の方だけでなく、家庭菜園の方、食材を無駄なく使いこなされる調理の方、地元産をおいしく食べてくれる子供たちなどいろんな人によって守られていると思います。

 私も栽培を通じ、「失敗から学ぶ」ことを忘れず、知見を積み重ね、皆様にいろんな情報を発信したいと思います。今年一年、たいへんお世話になりました。来年もすばらしい年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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