市長期総合計画後期基本計画
糸島市の最上位計画である「第2次糸島市長期総合計画」の基本構想変更案と、2026年度から30年度までの5年間を計画期間とする後期基本計画が、昨年12月の市議会定例会で可決された。計画の土台となる基本構想の変更は、人口増加の実態を反映したもの。23年3月末時点で人口が10万3562人に達し、当初の目標値に迫っていたため、政策的な誘導による増加分も見込んで10年後の将来人口の目標を従来の10万4千人から10万6千人へと上方修正した。
後期基本計画は「市民真ん中施策の展開」を基軸とし、市民や企業など多様なステークホルダー(関係者)と連携する「共創(きょうそう)チャレンジ」を打ち出して持続可能なまちづくりの方針を示した。
合わせて「自立度の高い糸島づくり」など三つの基本方針を継承しつつ、予測不能な社会情勢や、心の豊かさ(ウェルビーイング)を重視する時代の変化に対応させている。
一方で、計画策定の背景には市独自のデータ分析で判明した「ねじれ」がある。市民の94%が「糸島が好き」と高い愛着度を示すものの、福岡都市圏17市町との比較では、自治体の財政基盤の強さを示す「財政力指数」が低い。
地域内で生み出された所得(稼ぎ)が、どれだけ地域内に留まり循環しているかを示す「地域経済循環率」も61.5%にとどまり、市内で生まれた所得が市外へ流出している厳しい現実も明らかになった。
市は、地域課題を行政単独で全て解決するのは難しいとする一方で、市民の94%が「糸島が好き」と示す高い愛着と熱意こそが地域を動かす突破口になると判断。
市民の意向を計画策定と施策の実行に取り込むため、市民参加のプロセスを重視した。24年6月から昨年3月にかけて開催した「まちづくり市民委員会」には、中学生から高齢者まで延べ260人を超える市民が参加。全5回にわたる議論では、教育や防災、産業など全6つの基本目標について、模造紙や付箋を用いながら市民目線で徹底的に検証した。
議論の集大成として導入されたのが、後期基本計画の目玉「共創チャレンジ」だ。同チャレンジは従来の「協働(共に働く)」から一歩進め、多様な関係者が対話を通じて、課題解決のための施策をゼロから「共に創り上げる」仕組み。「若者の活躍」「多文化共生」「地域農業環境の維持」という、行政だけでは解決が難しい3つの重点テーマに対し、民間のノウハウや市民のアイデアを取り込むことで突破口を開く。
後期基本計画にはこれらを含め、6つの基本目標の下に24の政策と63の施策が体系化された。「糸島サイエンス・ヴィレッジ」の実現など、地域の稼ぐ力を高めるプロジェクトも盛り込まれている。
市は「市民の皆さまを真ん中に据え、糸島で暮らす幸せを実感できるまちづくりを加速させたい」と強調している。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
