【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.154(1/30号掲載)

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バレイショ栽培のポイント

 2月4日は立春。冷たい風、朝晩の冷え込みを感じていても、徐々に日が長くなってきましたね。近年の2月の平均温度は2~3度高くなっており、野菜栽培方法も少しずつ変化してきています。今回、ご紹介するのは、春野菜栽培の代名詞「バレイショ」。

 皆さん、スーパーなどで販売されているバレイショの価格はいかがですか。「うわー、高っかあ~」「球の小さか~」などの声をよく聞きます。実は、皆さんも既にニュースなどで聞かれていると思いますが、2025年産の北海道のバレイショは夏の記録的な高温と雨不足の影響で不作傾向に加え、小玉タイプが多く、収穫量が減少しています。これによって市場価格が高騰し、ポテトチップスなどの品薄や、外食産業への影響も出ています。涼しい気候を好むバレイショは近年、気候変動の影響を強く受けており、需要と供給のバランスの安定が課題となっています。

 九州の主産地、鹿児島県や長崎県も冬~春の気温の高さと遅霜の影響で生育不良となり、やはり小ぶりなものが多く、出荷量が計画を下回るなどの不作に見舞われたようです。

 北海道や鹿児島、長崎のプロの生産者でも、近年の二季化の影響で栽培が容易ではないようです。そこで、栽培方法のポイントを深堀してみましょう。植え込みのタイミング2月19日農業暦の「雨水」~3月5日「啓蟄(けいちつ)」までが良いとされます。ただ、昨年の春先のように気温が高く推移し、早めの生育となってしまったところに遅い霜が降り、茎葉の一番伸びた箇所の生長点がストレスを強く受けると、その後の生育が芳しくなく、収量悪化、小玉傾向と残念な収穫となってしまいます。

 そこで、対策は二つ。菜園で栽培されている方は3月中下旬頃、天気予報で夜の快晴による放射冷却が心配されるとの予報を聞いた場合、不織布(マスクやおむつなどに使われている素材)をサッと茎葉の上にかぶせると、緊急の霜よけとなります。

 プランター栽培の方は、プランターごと霜が降りにくい車庫や玄関の軒先などに移動させ、霜を避けてください。ちなみに、私は昨年、秋作になりますが、土壌試験目的で、大きめの丸プランターで栽培してみました。霜とは無縁な時期ですが、プランターでもしっかりバレイショが栽培できました。

 少しの収穫でも食材の助けになる「バレイショ」。畑栽培が難しい方は、プランター栽培にチャレンジしてみてはいかがですか。

 今は種イモをしっかりとしたレベルまで引き上げる「浴光催芽」の時期。暖かく明るい日差しがさすところに、種イモを置き、がっちりとした芽の形成を行います。品質、収量ともに向上させる大切な作業です。

浴光育芽すると、100日経過しても芽がもやしみたいにならない、強い芽となる
特殊肥料によるバレイショ収量調査試験

 さて、2月21日、糸島で園芸講習会を行います。バレイショ栽培についても詳しく解説いたします。皆さんのご参加、お待ちしております。

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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