【糸島市】ドクター古藤の園芸塾Vol.155(2/6号掲載)

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春夏野菜栽培 スケジュールの確認

 2月4日は「立春」、19日は「雨水」、3月5日は「啓蟄(けいちつ)」。暦では、徐々に春が近まっていますね。そんな中、昨年の2月4日は前原(糸島市)で最高温度3.1度と冬本来の寒さでした。ところが、翌週一転して気温は上昇、最高温度16.6度の日があり、2月と思えないポカポカ陽気だった記憶が残っています。

 先週号は、春夏野菜栽培のトップバッター、春バレイショ栽培についてのいろはと、種の準備などをご紹介させていただきました。

 今月からは、いよいよ種まきや種芋などの植え付けが本格化します。野菜の品目には、一定の栽培スケジュール指標があります(資料参照)。しかし、前述のように、予測しきれない気温の上昇や強乾燥などによって、生育バランスの不均衡などの発生が慣例化しています。そこで、野菜栽培のスケジュールを少し検討してみましょう。

 気象データを見ると、野菜苗の定植が本格化する4月は10年前より、月平均気温が1.0度上昇しています。1度の違いによる影響は大きく、多くの植物は「春が早く来た」と勘違いし、生育が早まります。その後の気温がさらに高くなったり、水不足になったりすると、高温ストレスや乾燥でダメージを受け、生育が阻害されたり、生理機能が低下したりするリスクが高まります。これは近年の春夏野菜に見られる現象で、植物の生態系全体に影響を及ぼす深刻な問題となっています。

 懸念されるのは、市販される野菜苗の販売が、どんどん早めになっていることです。過去の野菜苗販売では、4月下旬からゴールデンウイークにかけて集中的に品ぞろえをし、苗定植が進められていました。しかし、近年は、気温が高く推移してしまうため、3月中旬より苗が流通し、好天気が続くと菜園準備も順調に進んでしまい、早植え傾向となっています。

 定植後の気温も高めのため、生育も早まります。そのあとの強い日射、高温、乾燥などの強烈な外部ストレス環境によって「茎葉は元気なのに、実がつきにくくなった」「果実が硬い」「小さい」など本来、期待されるような収穫にはならない現象が増えているようです。肥料をきちっと与え、管理をしっかり行っているのに、残念な結果となります。近年の早い初期生育は、決して良い生育方向に向かってないようです。

 そこで、栽培スケジュールを再度確認します。

 ◎少し定植タイミングを遅めにする。
 ◎初期生育を根の伸長に重点に置く。
 ◎地力を高める代わりに、元肥を少しセーブし、がっちりとした初期生育へ導く。

 これらを考慮する必要があると考えます。

 明確な答えはありませんが、一昨年、昨年と栽培経験をもとに、改善していくことが大切でしょう。私も、特に根の活性化を第一順位として、生育ストレスの軽減にチャレンジしていきたいと思います。 

(シンジェンタジャパン・アグロエコシステムテクニカルマネジャー 古藤俊二)

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古藤 俊二さん
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この記事を書いた人

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