2月22日は「猫の日」。愛猫家の学者や文化人でつくる猫の日実行委員会とペットフードの業界団体が40年ほど前に制定した。「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせから、この日に決まった。ペットフード協会の飼育実態調査によると、国内の猫の飼育数は現在約900万匹近く。その数が示すように、猫は人と生活を共にする大切なパートナーであり、歴史上の人物たちの残すエピソードがそれを象徴して物語っている▼アメリカ大統領官邸のホワイトハウスでは、ほとんどの大統領が近現代史を通してペットを飼ってきた。猫を飼った大統領はこれまでに11人。その最初が第16代のエイブラハム・リンカーンだ。国務長官から2匹の子猫が贈られ、リンカーンは仕事で疲れていても1匹ずつなでながら30分ほど話しかける溺愛ぶりだったという。「猫のためならば道も譲る」という名言があるリンカーン。夫人は「夫の趣味は猫」と話したと伝えられている▼リンカーンは1861年に起きた南北戦争で北部を指導し、63年に奴隷解放宣言を出した。その2年後の南北戦争の最終局面で、激戦地の司令部を訪ねて行ったリンカーンには、猫にまつわるこの人らしい逸話がある。親を失い、陣営のテントに迷い込んだ3匹の子猫を見つけると、優しくなで、会合を終えた後、3匹にたっぷりとミルクを与え、優しく扱うよう幕僚に指示したという▼4年間で60万人以上が戦死した南北戦争。多くの犠牲者を出し続けた内戦から国家を再建していかなければならないという途方もない課題に直面していたそのとき、子猫たちはリンカーンにのしかかかっていた重圧を和らげたのだと思う▼ペットは単なる愛玩動物ではなく家族の一員として愛情や絆を育んでいく存在。伴侶動物(コンパニオン・アニマル)という呼び方もされる。お互いに貢献し合う対等な関係。人間の精神活動に深くかかわり、心身の健康を支えてくれる。「猫の愛より偉大なギフトがあろうか」。イギリスの小説家チャールズ・ディケンズの言葉はしっくりとくる。
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