自然と共生する仕組み 模索
市、九大、昭和自動車など4者
糸島市と九州大学、昭和自動車(佐賀県唐津市)、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF、東京)の4者は3月23日、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現と、地域の交通課題解決に向けた連携協定を締結した=写真。同大伊都キャンパスで行われた締結式には、糸島市の月形祐二市長や同大の石橋達朗総長らが出席。産学官が連携し、自然と共生する新しい移動の仕組みづくりに乗り出す。

糸島半島は豊かな自然に恵まれ、移住先や観光地として脚光を浴びる一方、観光客の増加による「オーバーツーリズム(観光公害)」の深刻化や交通量の増加による渋滞の常態化、環境負荷の増大化が浮き彫りとなっている。また、車を持たない住民や高齢者にとっては移動手段の確保が難しく、公共交通網の維持が喫緊の課題。同大大学院工学研究院の立川雄也准教授は「地域のカーボンニュートラルの実現と、住民・観光客双方の利便性向上のため、産学官それぞれの視点で課題解決を図る」と意気込む。
課題解決に向けた具体的な取り組みとして、新たに水素燃料電池バス(FCバス)と電気自動車(EV)を導入。昭和自動車の金子隆晴代表取締役社長は「糸島市ではすでに、様々なモリビリティで移動の自由を提供するよかまちみらいプロジェクトを推進している。今回EVが加わることで、カーボンニュートラル実現に向けた大変有意義な実証事業になる」と期待を寄せた。
トヨタ自動車が設立したTMFも、世界各地で培ったノウハウを糸島へ注ぐ。半島の西側エリアなどでは、次世代の小型車両e-Palette(イー・パレット)のような車両の活用も検討。同基金の西野友朗プログラム・ディレクターは「地域の皆さんと汗をかきながら、具体策を実現していきたい」と語った。
石橋総長は「これまでキャンパスで進めてきた取り組みを地域社会へと広げ、持続可能な社会モデルを糸島から発信したい」と展望を示し、月形市長は「糸島は日本の縮図のような地域。糸島での成功を全国の課題解決の礎にしたい」と強調。4者は今後、2026年度の準備を経て2027年度からの本格運用を目指す。導入後は多角的なデータ分析を行い、成果を同様の課題を抱える他地域へも展開していく方針を掲げている。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)
