地中から出て来た80センチほどの二つの陶器製のかめ。中に入っていたのは、ボールや絵具箱、墨汁に縦笛と半世紀前の思い出の品々-。福岡市西区の今宿小で1日、50年前に埋められたタイムカプセルの開封式(今宿小学校タイムカプセル掘り起こし実行委員会主催)が行われた。
1974年の同小創立100周年記念事業の一環で、在校生が学校生活での愛用品をかめに入れ、記念碑の下に埋めておいたものだ。当時児童会長だった落合淳一郎さん(62)と5年生だった田中武將さん(61)、5年生担任だった山本清さん(81)らが中心となり開封式を企画した。遠くはアメリカからも駆け付けた卒業生らは、出てきた思い出の品々に童心に帰ってはしゃいだ。
期待と不安と緊張の開封の瞬間、数人でふたを持ち上げると、ナフタリンの香りと共に出てきたのは「五十年後に贈る 二〇二四年の諸君」で始まる古川嘉幣校長からの手紙。続いて文集や教師が児童らに向けて吹き込んだカセットテープ、ランドセルなど学用品と、色はあせてはいるものの懐かしい品が次々と。「なつかしーな!」と声をあげたり、往時の自分を思い涙ぐんだりと参加者は感慨にふけった。
山本さんは26歳から8年間在籍した同小での思い出を振り返りながら「このワクワクの瞬間に立ち会えとてもうれしい。50年前の自分と出会い、今後の人生も夢と勇気を持って頑張っていきましょう」と力強くあいさつした。
タイムカプセルの中身は、10月に展示予定(場所未定)。