8月9、10日2公演の平和劇が無事終演しました。今年は戦争末期に糸島に設置された秘匿基地「海軍航空隊玄界基地」を取り上げました。私が玄界航空基地のことを知ったのは平和劇に関わるようになってからです。
9年前、戦後70年を迎えたときに市民提案型まちづくり事業として制作したドキュメンタリーDⅤDの中でも取り上げました。伝えていきたい郷土の史実ではあるのですが、その内容は子どもたちには難しく、これまで平和劇としてなかなか取り組むことができませんでした。
どうにか舞台化できないか、まだあまり知られていない「秘匿基地」のことを市民の皆さまに伝えていくことはできないか、試行錯誤を繰り返し、やっと実現しました。
子どもたちが必死に理解しようと努めている姿はとても印象的で、聴音壕(ちょうおんごう)も実際に作ってみたい、セリフをこう変えたほうが伝わるなど、今回の舞台もみんなの力で創り上げることができました。私にとっても、その一瞬一瞬が小さな幸せでした。
戦争を知る人も少なくなる中、どう語り継いでいくか、これからの課題です。伝えていきたい史実や当時の人々の思いを脚本という形に残し、子どもたちがその思いをくみ取って演じる。この平和劇の形そのものが語り継いでいくことになるんだな、と今回改めて感じました。
「平和って何だろう」と考えた時、みんな、思いは同じだと思うのです。戦争がなくなってほしい、いじめもなくなってほしい、差別もなくなってほしい、みんな笑顔で過ごせる世の中、世界であってほしいって。
いろんな考え、思いはあるでしょう。ですが、世界のみんなが望んでいること、みんなで創るものそれが「平和」なんだと思います。
日本は戦後が長く続いています。これまで取材してきた戦争体験者からのメッセージで印象的な言葉があります。それは、「これからも戦後がずっと続きますように!」「誰かが語り継いでいかなければ、なんも分からんまんまよ!」。これからも戦後がずっと続くことを、こころより願っておりますし、みんなの力でそうしていきましょう!
歩いて行こう次の空へ!
(いとしまハローピースアクト代表・江川佳世)