【糸島市】糸島八景「 可也山農景」発売

西日本新聞セレクトモール

 アーティスト、大川博さんによる本紙の風景画連載「糸島八景」の6回目可也山農景をテーマにした作品販売が西日本新聞セレクトモールで行われている。インターネットで通販が楽しめるショッピングモールで、電話でも受け付けている。

可也山と田園を描いた8枚の連作。4枚、8枚を選んでセットでの購入もできる

今回は8枚の連作で、可也山が見守る田園の四季を、電子ペンを使って描いている。リトグラフ風に仕上げたデジタルペインティングで、額装している。
100枚限定でエディションナンバーをつけ、落款を押している。
《価格(税込)》
 1枚(額装)送料込み    …1万2千円
 4枚セット(額装は1枚のみ)…3万5千円
 8枚セット(同)       …6万4千円

ご購入の申し込み
西日本新聞セレクトモール
電話  092(558)8127(平日午前10時~午後5時)
    ※電話によるお申し込みは10月1日以降
URL  セレクトモールのウェブ

―神奈備として暮らし見守り 可也山農景―

 「糸島富士」と呼ばれる美しい山容の福岡県糸島市の可也山。神霊が鎮座し、人々の暮らしを見守る神奈備(かんなび)である。その名は、古代の朝鮮半島南部にあった伽耶(かや)の国から海を渡ってきた人々が故国の伽耶山から名付けたといわれる。

可也山の周りは、広大な田園が営まれる豊穣(ほうじょう)の地。この地で収穫される作物により豊かな暮らしが連綿と続いてきた。太古から可也山に見守られてきた糸島の田園の四季を描く。

1 逆さ富士 田鏡に映る山

お米一粒には七人の神様が宿るという。
水、土、風、虫、太陽、雲、作り手である
水張田は鏡のごとく、糸島富士こと可也山を映す。
「山の神様」が豊穣のため、「田の神様」として里へ下りてくるという。
心静かに豊穣を祈る曙のとき。

2 早苗田 田鏡に揺れる早苗田

水無月の朝
里の仲間と力をあわせ、田植えに臨む。
田鏡に風に揺れる早苗。
里山の可也山 静かに見守る。

3 青波田 稲の無事の成長を祈るとき

葉月の日盛りのとき
稲は育ち、風吹けば青い波のごとき表情をみせる
青空に 雲沸き起こり 嵐の気配
神奈備に 稲の無事の成長を祈るとき

 4 豊穣の秋 天高く雲ひとつない秋晴れのとき

長月のころ
実るほど頭が下がる稲穂かな
天高く雲ひとつない秋 糸島では収穫の時期
「田の神様」が豊穣を見届けて山へ帰っていくとき

5 種まく人 巡る季節のなかで

霜月薄明のとき
代掻きのあと、種まく人の後ろを 鷺たちがついていく
土の中にいた虫やミミズといったエサをついばむため
農家の営みを静かに見守る可也山

6 山里夕景 北帰行するなべ鶴

如月の夕暮れどき
北帰行するなべ鶴が翔ぶ冬の空
橙色に染まり、可也山のシルエットがくっきりと
麦踏みにより、根を強く張らせ、徒長を防がんとする。

7 青麦野 星の煌めきの下

卯月の夜更け
オリオン座をはじめ 満天の星
青麦野の拡がる糸島の地。
星明かりに照らされる蒼き可也山

8 麦秋の月 もうひとつの収穫のとき

皐月の春宵のとき
短き二毛作の糸島の麦秋
夜空には黄金色のお月様が照らしている。
大地には黄金色の麦の穂が揺れている

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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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