末松五郎稲荷神社 24力士 土俵入り
糸島市の奇祭として知られる「目隠し女相撲」が8日、糸島市二丈松末の松末五郎稲荷神社で奉納された。七福神の頭巾をかぶった女性力士たちが膝をついたまま相撲を取り、好勝負の連続で観客を沸かせた。
戦後始まった女相撲は五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した伝統行事。土俵に上がる力士は女性だけという決まりがある。
この日は女性力士24人が東西に分かれ土俵入り。頭巾をかぶった女性力士は膝をついたまま手を伸ばし広げ、手探りで相手を探し当てる。観客からは「もっと右、右」「ママがんばれー」などと歓声が上がり、組み合うと押しやひねりを決めていた。結びの一番となる横綱対決は熟練らしい駆け引きが続き、どちらも譲らぬ接戦に境内は笑いと拍手に包まれた。
友人の誘いを受けて初めて参加した「スタミナ山」こと村重留依さん(31)は「とても楽しく、白星も挙げられた。来年もぜひ出場したい」と笑顔を見せた。
目隠しをするのは、世渡りの難しさを例えており、厳しい世情であっても明るく楽しむことの大切さを伝えている。神主の松﨑治一さんは「若い人や地域外からも参加してもらい、にぎにぎしく続けていきたい」と話していた。
(地域特派員・平田紀子)
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