【糸島市】和牛飼育への熱い思い伝える

糸島農高が和牛甲子園出場

 和牛を農業高校で飼育する“高校牛児(ぎゅうじ)”たちの大会「和牛甲子園」(JA全農主催)が1月16、17日に東京で開催され、糸島市の糸島農業高校が出場した。動植物活用科の動物活用コース28人が、1年半にわたって育てた肥育牛「けんじ」で参加。惜しくも受賞は逃したが、全国の舞台で和牛飼育にかける熱い思いを発信した。

けんじを東京へ輸送する前に、生徒たちはお別れを言ったりブラッシングをかけたりした

 けんじは2023年7月に、生後9カ月、体重約300キロで同高に来た。生徒たちは餌を与えたり、牛舎を掃除したりして大切に飼育。体をきれいに保ち、けんじがリラックスできるよう、ブラッシングを毎日休みなく行った。大会前には、けんじは体重約800キロの立派な博多和牛に成長した。

 大会に臨んだのは、3年生の森内まおさん向井優希さん津田舞香さん。日頃の取り組み内容を発表する「体験発表」では、飼育環境を向上させるための独自の工夫を紹介。敷料に糸島の竹を使った竹チップを混ぜることで、抗菌・消臭効果を高め、牛のリラックス効果を実現したことを報告した。また肉質改善のため、餌に糸島産の酒粕(さけかす)を混ぜる試みも行い、その効果を研究した成果を披露した。

和牛甲子園に出場した糸島農業高の生徒たち

 続く「枝肉共励会」では、肉質が最高ランクのA5に評価され、評価額も平均を上回った。3人は「さしの入り具合やロース芯の面積など、全体的にバランスが良かった」といい、「私たちの中で、けんじは1位だった」と胸を張った。

 後学のため現地に同行した1年生の寺﨑千夏さんは「先輩たちが毎日欠かさずお世話をしている姿はすごいと思った。自分たちも後に続きたい」と決意を新たにした。

 指導を担当した河原治子教諭(30)は「生徒たちは責任をもって牛と向き合い、自分たちで考えて工夫する力を身に着けた。後輩たちも先輩から多くのことを学び、新しいアイデアを持ちながら挑戦し続けてほしい」と期待を寄せた。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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