伊都彩々㊤ 店長 波多江和也さん(54)
このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取材し、その魅力を紹介します。初回となる今回は、共創学部3年、加藤千穂が全国のJA直売所で売上高一位を誇るJA糸島産直市場「伊都菜彩」の店長、波多江和也さんに、どのように巨大直売所を運営しているのか、お話をおうかがいしました。

-2023年度の売上高は42億9千万円で、JA直売所の中でも飛び抜けている伊都菜彩ですが、どのくらいのお客さんが来店されるのでしょうか。
「現在は、平日約3,000人、休日は4,000人を超えるお客さんが訪れています。その中には、糸島市民だけではなく福岡市内から車で30分以上かけてくるリピーターや飲食店の方もおられます」
-販売品のうち、約97%が糸島産で、しかも野菜は採れたてのものが常に並んでいるそうですね。
「出荷者はJA正組合員を中心とする1,526人(23年度末時点)です。他の直売所と比較しても圧倒的な出荷者数となっています。販売品の中では農畜産物が55%を占めており、新鮮さを求めて来店される方も多いです」
-その新鮮さはどのように確保しているのでしょうか。
「スーパーの野菜が中間業者を挟んで店頭に並ぶまでに2、3日かかるのに対し、伊都菜彩では朝収穫した野菜が午前6時から出荷され始め、基本的に店頭に並ぶのは1日限りです。ジャガイモなどの痛みにくい野菜でも最長2日までしか陳列しません。出荷の際は、出荷者自身が品目ごとに決められたスペースに陳列し、自作したポップなどを掲示して販売します」
-売り切れなどで、追加の出荷をしてもらいたい時があると思います。出荷者に売り上げ状況をどのように伝え、対応してもらっているのか教えてください。
「出荷者には1日に複数回売り上げの情報メールをお送りしています。その時点での商品の売り上げと来客数などを共有し、追加の出荷や回収する必要性の有無を検討する材料としていただいています。また、1年に1度、支部別に実施している出荷者との懇談会では、作付け品目の割合などの参考としてもらうために、作物ごとの年間の売上高や時期によって少ない作物、早く売り切れる作物などの情報を共有しています」

次回は「糸島産であること」の象徴、「まるいと」マークについて深掘りしていきます。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)