糸島市消費生活センター
糸島市消費生活センターへの2024年度の相談件数が、同センターが設立された10年以来、初めて1000件を超え、2年連続で過去最多となった。同センターの消費生活相談員は「総務省などをかたる不審な電話が昨年10月と今年2、3月に相次ぎ、相談件数が増えたことなどが増加につながった」とし、トラブルに巻き込まれないよう注意を呼びかけている。

「この電話は2時間後に使えなくなります」。同センターによると、総務省をかたって不安をあおるガイダンスが流れた後、「詳細を知りたい方は1番を押してください」と誘導する不審な電話が頻発。実際に1番を押すと男が電話に出て、住所や氏名、年齢などの個人情報を聞き出そうとするケースが報告されている。
同センターは、日常生活で起こるさまざまな消費者トラブルを解決し、市民の安全安心な消費生活の確保を目的として設置された公的機関。
昨年度の相談件数は1023件で、前年度の957件から66件(約6.9%)増加した。うち60歳以上からの問い合わせが全体の54.9%を占め、特に70代からが233件と最も多く、次いで60代が172件となっている。
相談方法は、電話が834件(81.5%)、直接訪問が189件(18.5%)。取引形態別では通信販売が348件(30.4%)と最多で、次いで店舗購入271件(26.5%)。電話勧誘販売は前年の66件から153件と2倍以上に増加した。
同センターは「高齢者のスマートフォン利用が増えたことで、ネットショッピングに関する相談が増えている」と分析。特に化粧品や健康食品の定期購入に関する相談が多く、「初回格安」と表示されていても、実際には定期購入が条件となっているケースがあるという。
相談の処理結果別では、相談員が適切な助言を行い自主交渉を促すケースが751件(73.4%)と大半を占める。センターが消費者と事業者との間に入って交渉する「斡旋解決」は163件(16%)だった。
同センターでは、消費者トラブルの未然防止に向け、出前講座や啓発活動も実施している。24年度は「知って防ごう!悪質商法」「知ってみよう!キャッシュレス決済」などの講習会を13回開催し、468人が参加した。
同センターは「トラブルに遭ったらすぐに相談してほしい。特に高齢者は一人で判断せず、家族や周囲の人に相談することが大切」と呼びかけている。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)