【糸島市】“九大生が聞く!!ビジネス最前線 in糸島” 改善意識を浸透させ成長

空調技研工業㊦ 代表取締役 占部幹彦さん(69)

 このコーナーは、九州大学のインターン生が糸島エリアで活動している企業や団体を取材し、その魅力を紹介します。芸術工学研究院修士課程の北垣玲音が、前回に引き続き、空調用吹出口で国内のトップシェアを誇る空調技研工業株式会社占部幹彦社長(69)を訪ね、チャレンジ精神にあふれる会社経営について、お話をうかがいました。

チャレンジ精神について語る占部幹彦社長

-これほどの成長を遂げた背景には、独自の生産体制があるそうですね。空調技研工業の会社名から「KGK生産方式」と呼ばれているそうですが、どのようなものなのでしょうか。

 「当社独自の生産スタイルですが、もともとはトヨタ自動車のトヨタ生産方式(TPS)をベースにしています。約30年前、品質向上・生産性向上と管理の効率化を目指して、トヨタグループの方をお招きしたり、社員を名古屋へ派遣したりして、生産方式を学びました。それを自社に合うように改良し、効率的な生産と人材育成を組み合わせた仕組みとして確立したのがKGK生産方式です」

-KGK生産方式の浸透によって、個人やグループが徹底的にムダを排除して作業効率向上を進めるという改善の風土があるそうですね。

 「一人一人がしっかりとした意識を持って、小さな改善を積み重ね、生産性向上や原価低減につながるよう挑戦し続けています。改善提案制度を通じて、さまざまな提案を出すことにより、実践的な学びもしています。また、モノづくりは、人づくりであるといえます。技能習得や向上を推進するため、工場内に訓練道場を設け、訓練をしています」

-会社のスローガンの中で、技術、高品質、管理、低原価で業界一になるという挑戦を掲げられています。ナンバーワンにこだわる理由とは。

 「ナンバーワンであることで、業界の中で最も主体的に企業活動ができます。『2番でもいい』と思った時点で、会社の成長は止まります。常に進化し続けるためには、ナンバーワンであり続けなければなりません。業界への影響力も、2番手とは圧倒的な差があります」

-2022年に千葉市に新工場をつくられましたが、今後の展望を教えてください。

 「関東エリアで出荷のシェアが高いため、よりスピーディーに製品をお届けするための拠点として開設しました。今後はアジア市場へのさらなる進出も視野に入れ、アジアを見据えた商品開発に挑戦していきます」

本社工場の空撮写真

 取材を終えて

 現状に満足することなく、成長を追い求め続ける空調技研工業の姿勢こそが、ナンバーワンという地位を支える最大の力であると感じました。努力の積み重ねが、確かな品質と信頼を生み出していると思いました。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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この記事を書いた人

1917(大正6)年の創刊以来、郷土の皆様とともに歩み続ける地域に密着したニュースを発信しています。

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