関心高め地域で盛り上げへ
— 糸島市役所エントランスホール —
糸島・前原の夏の風物詩「前原山笠」の舁(か)き山笠(やま)が、糸島市役所エントランスホールにお目見えした。幅広く市民に関心を持ってもらおうと、今回初めて市役所での公開が実現した。

現在、祭りの運営は九つの行政区のうち一つが当番町として担っているが、来年からは、各行政区の代表が集まった「前原山笠振興会」を中心に、持続可能な運営体制を整え、伝統の祭りを守っていくことにしている。展示は、6月7日から今月21日までを予定している。
展示されたのは、大筒を構える若武者の姿を表現した迫力満点の山笠。こわごわと見上げる3歳の息子を連れた母親は「昨年移住してきたばかりで、前原山笠をみるのは今年が初めて。とても楽しみにしています」と笑顔で話した。
前原山笠は、前原地域の11町(行政区)で毎年行われており、老松神社の夏越祭とともに長年受け継がれてきた伝統行事。祭り前日と当日の夜には前原商店街に夜店が立ち並び、一年で最もにぎわう日となる。
ただ、近年は舁き手を確保するのが各行政区で難しくなっており、現在は糸島高校の生徒や、地元の日本語学校に通う外国人などにも協力を呼びかけ、多様な担い手とともに祭りを盛り上げている。振興会の準備会メンバーは「これまでなかったポスターやチラシを作り、地域のお店などに貼ってもらって、糸島全体で盛り上げていける祭りにしたい」と意気込む。
山笠を飾った今年の当番町・北新地行政区では、参加者の思い出となるよう、オリジナルの手ぬぐいも制作。「前原が一番熱くなる日。舁き手となって、一緒に盛り上げてみませんか」と広く参加を呼びかける。
本年度の前原山笠は、25日午後2時半に糸島警察署前をスタート。一番山笠を担う北新地を先頭に、舁き山笠7台と子供山笠9台が6分間隔で順次出発する。「オイサ!オイサ!」の威勢のいい掛け声とともに、JR筑前前原駅前や前原商店街一帯を勇壮に舁き回していく。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)