長野の池集落 住民ら20人参加し入仏式
糸島市長野の池集落で100年以上にわたり守り続けている「池のお地蔵さま」の遷座法要が7日に営まれ、地域住民ら約20人が参列した。

「池のお地蔵さま」は、中央に地蔵菩薩(ぼさつ)、左右に薬師如来の3体が安置されている。薬師如来像の一つは江戸時代中期のもので、医療が十分でなかった時代に、人々が病気やけがの平癒を願ってまつってきたとされる。御堂の中には多くの小石がお供えされていて、その小石をいぼや痛みのあるところに当ててさすると治癒に効果があると言われてきた。
かつては糸島新四国西部八十八カ所霊場の札所として参詣者が訪れ、地域では1980年頃まで接待を続けた。集落では今も当番制で掃除やお参りを続け、年に2回「おこもり」と呼ばれる行事で交流を深めてきた。
旧仏堂は1912(明治45)年に集落の中心部に建立されたが、居住地の移り変わりともに外れに位置するようになり、山手であることから高齢者には参拝が難しくなった。このため、住民でつくる組合が所有する集落中心の土地へ移転が決まった。
当日は旧御堂で法要を営んだ後、仏像を移動。水で洗い清めて新しい御堂に安置し、入仏式を行った。旧御堂に納められていた小石の半分ほども新御堂に奉納された。
新しい御堂は、地域で建設業を営む住民が建立。住民の憩いの場になるようにと、御堂の中にベンチも設けられた。
組合長の友岡秀夫さん(59)は「長年の懸案だった遷座をとり行えて、ほっとしている。これからも地域でお地蔵さまを大切にして受け継いでいきたい」と話していた。
(糸島新聞社ホームページに地域情報満載)