糸島市志摩師吉の民家の庭で、「幻の果実」と呼ばれる「ポポー」だと思って育ててきた木が、実は別の植物だったことが分かった。住民のMさんは、勘違いから生まれた思わぬ発見に「すっきりしました」と笑顔を見せた。2年前、庭に見慣れない形の幼木が伸びているのに気づき、しばらくその正体を不思議に思っていたというMさん。ある日、訪れた店の庭でそっくりな木を見つけ、店主に名前を尋ねたところ、「ポポーという果樹ですよ」と教えられた。それ以来、自宅の木もポポーだと思い込み、大切に育ててきた。

そして10月下旬、「ポポーが実った」と聞いてMさん宅を訪れると、枝にはいくつかの小さな実が。しかし、見た目がどうも違う。Mさんと一緒に実や葉をじっくり観察し、スマホの検索機能で調べたところ、正体は「イヌビワ」。野鳥が好んで食べるイチジクの仲間だった。

「ポポーじゃなかったのはちょっと残念だけど、正体がわかってすっきりしました」とMさん。今後も変わらず大切に育てていくつもりだという。秋の実りがもたらした庭での小さな発見に、笑顔の花咲くひとときとなった。
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ママトコラボ取材班 榮 鮎子
