【糸島市】福吉中で最後の稲刈り

30年以上続いた行事に一区切り

 糸島市の福吉中学校(生徒数71人)で10月21日、全校生徒による学校実習田での稲刈りが行われた。全校で田植えから稲刈り、餅つきまでの一連の過程に取り組むこの行事は、30年以上続く伝統だったが、今年で一区切りを迎えた。

 秋風が心地よく吹く中、黄金色に実った田んぼに1年生から3年生までの生徒が集合。手にのこ鎌を持ち、刈り取る人、脱穀機へ運ぶ人と分かれて作業を進めた。3回目ともなる3年生を中心に、手際よく刈り進め、約10ヘクタールの田んぼの稲刈りと脱穀は小1時間で終わった。

和気あいあいと作業する生徒たち

 これまで実習田の管理を担ってきたのは、約30年前に当時のPTA会長として全校での米作りを始め、支援を続けてきた加茂正嗣さん(76)。「まだ稲刈りをしたい」という生徒の声に後ろ髪を引かれつつも「時代の変化の中、機械が大型化して手作業での脱穀には危険も伴う。そろそろ一区切りに」と話した。

お世話になった加茂さん(前列右から2人目)を囲んで3年生の集合写真

 作業を終えた生徒たちからは「身近なお米だが、このような過程を通して自分たちの手元に届いているということを実感した」「みんなで植えて、みんなで協力して収穫できてよかった」「恒例行事だったのでなくなるのはさみしい」といった声があがった。

 12月には、同様に米作りに取り組む福吉小学校の5年生と、合同で餅つきをする予定となっている。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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