【糸島市】糸島署 特殊詐欺被害 1億超

自転車盗激減 刑法犯は185件減少

 窃盗など糸島署管内の今年11月末までの刑法犯認知件数(暫定値)は432件で、前年同期比185件の大幅減となった。減少の最大要因は自転車盗の激減だが、特殊詐欺の被害額は1億円を超え、深刻な状況が続いている。

 昨年激増した自転車盗は78件と、前年同期から115件も減少。

 同署生活安全課の新井貴洋課長は「盗難被害に遭うのは、無施錠の自転車が目立っていた」といい、今年2月に「自転車盗抑止対策プロジェクト」を発足させ、二重ロックの呼びかけやワイヤー錠の配布、駐輪場への防犯カメラ設置促進、職務質問の強化などを署一丸となって推進。結果、全体的な刑法犯の減少につながった。

 偽電話などの特殊詐欺は、10月末現在の認知件数は16件(暫定値、前年同期比4件増)、被害額は約1億46万円と、同比6,600万円も増加した。県内全体でも被害額は44億円を超え、30億円以上増えている。

 特に悪質なのが、警察官などをかたる詐欺。犯人は国際電話をかけた後、SNSのビデオ通話に誘導。偽の制服や警察手帳、逮捕状を画面で見せて「あなたの口座が犯罪に使われている。逮捕されたくなければ送金してください」などと脅し、金をだまし取る。動画を使うことで信ぴょう性を高める手口が増えており、注意を呼びかけている。

 SNS型投資・ロマンス詐欺は9件と前年同期比で9件減ったが、被害額は4782万円にも上る。

 同署はJA糸島の支店で防犯寸劇を披露したり、年金支給日に合わせて管内の金融機関で被害防止キャンペーンを実施したりしながら、国際電話の休止措置やLINE勧誘の遮断措置を促すチラシを配布するなど、対策を進めてきた。

 新井課長は「詐欺の手口は日々巧妙化、悪質化している。ご自身だけでなく、ご家族にも協力してもらいながら、被害に遭わないよう注意してほしい。電話、メール、SNSでお金の話が出たら、全て詐欺と疑って警察に通報を」と強く呼びかけている。

 □自転車の事故に注意

 さらに、同署は交通事故への警戒を呼びかける。11月末現在で、管内の死亡事故件数は3件に上り、前年同期比で2件も増加した。

 自転車関連の人身事故は33件で、前年同期より21件も増えた。小学生は2件(増減なし)、中学生は6件(同比4件増)、高校生は5件(同比4件増)と、小中高生の増加が目立つ。同署の新飼智晴交通課長は「万が一に備えるため、ヘルメット着用を徹底してほしい」と強調している。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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