【糸島市】檜皮葺用の採取を実演

10年に1度の技 間近で — 高祖神社 —

 糸島市の髙祖神社境内で7日、社殿などに用いられる檜皮葺(ひわだぶき)屋根の材料となるヒノキの樹皮を採取する作業が行われ、一般向けの見学会が開かれた。ヒノキの皮は一度剥ぐと再び採れるまでに約10年を要するため、2016年に行った本殿修復で採取して以来となる貴重な機会。参加者は専門職人の伝統的な技に見入った。

ヒノキの樹皮を剥ぐ原皮師の中尾隆二さん

 作業を行ったのは、原皮師(もとかわし)の中尾隆二さん(39)。兵庫県で工務店を営み、重要文化財など社寺建築の檜皮葺屋根の材料調達・補修を手がけている。原皮師は、檜皮葺に使われるヒノキの樹皮を採取する専門職で、全国でも50人に満たないという。

 この日は雨のため本格的な採取は行えなかったが、見学者向けに実演を行った。中尾さんは「ぶり縄」と呼ばれる道具を使って巧みに木に登り、注意深く木のヘラで樹皮を剥いでいった。「一番気をつけるのは、ヘラの使い方。材料になる『黒皮』だけを剥ぎ、形成層は残して木が再生できるようにしています」と説明した。剥いだ直後のヒノキの肌は赤いが、10年から15年ほどで黒皮は再生するという。

 剥いだ樹皮は二尺五寸(約75センチ)に切り分け、屋根材として使用する。「一坪分の檜皮葺に約150キロの皮が必要」との説明に、見学者からは驚きの声が上がった。

 今回の採取は、髙祖神社の修復で中尾さんが檜皮葺を担当した縁から実現。採取した檜皮は、中尾さんを通じて全国の檜皮葺修復に使われる予定だ。

 見学に訪れた福岡市早良区の千田弘さんは「初めて見たが、すばらしい技術。実際に目にすると、簡単な作業ではないことがよく分かった」と話した。

 見学会を企画した髙祖神社文化財担当の内田隆志さんは「貴重な機会だし、一般の方にもぜひ見てほしかった。文化財への理解を深める良い機会になったのでは」と話していた。

糸島新聞社ホームページに地域情報満載)

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